記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 なぜ日本が無謀な戦争を行ったかの問いに対しては、今もさまざまな研究が続けられている。特に大陸進出・対米戦争を主導し、戦前における最大の政治勢力であった「日本陸軍」の分析は、現代の企業経営などにも通じるヒントがいくつもありそうだ。当時の陸軍トップだった東条英機首相(陸軍大将、1884~1948)に関する最新分析の成果を、戸部良一帝京大教授の「自壊の病理」(日本経済新聞出版社、税抜き2000円)から探った。 「プロの軍人」として優秀さを発揮 戦史研究の第一人者である戸部良一・帝京大教授 東条首相は太平洋戦争(1941~45)開戦時の首相・陸相・内相を務め、開戦後には軍需相、後には陸軍参謀総長も兼任した。このため戦後はA級戦犯として極東軍事裁判で裁かれ、現在も日本敗戦の悲劇を招いた張