8月以降に実際に開かれる裁判員裁判に向けて、宗教界が対応を打ち出し始めた。ただ、裁判員制度と信仰との距離をどう取るかで、各宗教のスタンスは異なったものになっている。 約45万人の信者を抱えるカトリック中央協議会は今月18日、司教ら聖職者約7600人について、「裁判員に選ばれた場合は原則として辞退することを勧める」とする公式見解をまとめた。候補者に選ばれた段階でも辞退を申し出るように呼びかけている。 世界のカトリック信者共通の“法律”にあたる「教会法」には、「聖職者は国家権力の行使にかかわる公職に就くことを禁じる」とする規定がある。同協議会はこの規定に抵触すると判断、「過料を支払ってでも参加しないことを勧める」とまで踏み込んだ。一般信者については各自の判断に委ねるという。 死刑制度に反対する真宗大谷派(門徒約550万人)は、6月に開かれた宗派内の議会で、「死刑制度に反対し、裁判員制度の見直し