「出版物原版権」ができると…個人に代わって紙の本をスキャンして電子化する「自炊代行」をしている会社=東京都内 本格的な電子書籍時代に向けて、出版社に「出版物原版権」という新たな権利を与える構想が浮上している。紙の本を裁断・スキャンして電子化する「自炊」やIT企業が直接作家と契約するなどして、出版社が許していない電子書籍が流通するのを防ぐ狙いがある。 中川正春前文部科学相が座長をつとめる国会議員の勉強会(中川勉強会)が20日に報告をまとめる。メンバーの議員は、著作権法の改正などによって、「今年度内にも構想を法律にしたい」としている。 文化庁も、著作権法を専門とする学者を集め、新しい権利をつくる際の課題や、権利の範囲などを検討している。 著作権法は、レコード会社やテレビ局には、音楽や番組という作品を伝える役割を果たしているとして、著作権の一種である「著作隣接権」を与えている。だが、出版