落語家の林家三平さんが1日、祖父の七代目林家正蔵さんが作った国策落語「出征祝」を約70年ぶりに口演する。国策落語は戦時中に政府や軍部の方針に合わせて作られた落語で、戦後はほとんど演じられていなかった。 「出征祝」は店の若旦那に召集令状が届き、大旦那や番頭が歓送会の準備をする内容。「私は戦地に行くんだ。戦死は覚悟だ」「どうだろ、店の者全部の名で、国防献金をしては」など、戦争を肯定するせりふが続く。 しかし、大旦那の「私の心は日本晴れだ」というせりふの裏には、息子の初代三平さん(三平さんの父)への思いが見えてくる、と三平さんは言う。「息子を戦地に出したくないが、口にはできない親の切なさが読み取れる」 三平さんは「当時は日本が戦争に勝つと思っていた時代。今では笑えない落語だが、当時の落語家になりきって笑顔で演じる。タイムスリップした気分で見て、この時代のことを知ってほしい」と語る。 ◇ 口演は台
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