「命の重さを認める判決でよかった。これで息子にちゃんと報告できます」―。2004年10月27日に21歳で自殺した海自護衛艦「たちかぜ」の1等海士の遺族は23日、自殺が先輩隊員によるいじめが原因と認めた東京高裁判決に、10年間の重みをかみしめました。 判決によると、03年に入隊した息子は、同年12月に横須賀基地のたちかぜ配属となりましたが、先輩隊員からガスガンで撃たれるなどのいじめを繰り返し受け、先輩隊員を名指しした遺書を残し、ホームから電車に飛び込んで自殺しました。 判決報告集会で遺族の母親は、息子は温厚な一面、何かやりだしたら最後までやりぬく性格で、テレビでみた自衛隊の災害救助に心を動かされ、自衛隊に出入りしていた父親のすすめもあって入隊したことにふれ、「父親は自分が入隊させた責任がある、裁判で無念をはらしたいと提訴しながら中途で病死した。判決で国の責任を認めさせたと報告できます」と涙ぐ