ブックマーク / katukawa.com (34)

  • K値による予測を使うべきでない理由 - 勝川俊雄公式サイト

    K値というものが物理学者によって提唱されて、大阪などでは利用されているようです。7/6のテレビ東京ワールドビジネスサテライトでは、K値によるコロナ感染者の予測が紹介されていました。 K値予測では今週がピーク!? コロナとの共存を進める中、大事なのが今後の予測です。 https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/newsl/post_205596/ 番組では、7/9には、感染者は減少に転じるという予測が示されました。これを見た人は、コロナがすぐに勝手に減るから、心配はいらないという誤った印象を持ったことでしょう。行動変容もしていないのに、コロナ感染者がひとりでに減ることは無いというのは、その後も感染者は着々と増えて、現在に至っていることからも明らかでしょう。こういった楽観的な予測が一人歩きをすると、当に必要なコロナ対策の妨げになりかねないので、K値による予測を使うべきで

  • 次のTAC魚種は、ずばり、これだ! - 勝川俊雄公式サイト

    上位20種の中でTAC対象資源を青で塗ってみた。 なんだかんだ言って、重要資源は既に資源管理の対象になっているのである。 誰が選んだか知らないが、TAC魚種というのはなかなかよく考えられている。 ただ、その管理の内容に問題が大ありだ。 TAC対象種の数を増やすよりも、現在のTAC制度をまともな資源管理に改良していくのが先決だろう。 TAC対象ではないのは、カタクチ、ホッケ、ブリ、マダラ、ウルメ、イカナゴがランキングした。 これらも将来的にはTACの対象にした方が良いとは思うが、難点も多い。 カタクチイワシは、単価がべらぼうにやすくて、漁業としての重要度は低い。 また、ホッケは親は岩場に入ってしまうので、まとまってとれるのは未成魚だけ。 親はつりでしかとれないので、資源量の推定が非常に難しい。 未成魚だけをみて資源全体を把握するのは至難の業である。 ただ、難しいからといって、放置しておいて良

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  • 持続性を無視する東京五輪の水産物調達方針 - 勝川俊雄公式サイト

    ロンドン以降の五輪では、ホスト国は持続的な水産物を提供することが期待されています。オリンピックのスタンダードからすると日の漁業は持続性に問題があるという話はすでに指摘したとおりです。2020東京大会での調達基準(持続可能性に配慮した水産物の調達基準)の(案)が公開されて、パブコメにかけられています。「国際的なハードルが高いなら、日漁業が現状でもクリアできるような国産の基準を作ればよいじゃないか」ということで、思いっきりハードルを下げてきました。 https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/opinion-sourcing-code/data/fishery-products-code-JP.pdf 細かいところまで指摘していると切りが無いので、大きな穴について指摘していきます。 1.調達基準の対象は、水産物の生鮮品(※)及び水産物を主要

  • WCPFC(マグロの国際会議)への識者の声 - 勝川俊雄公式サイト

    今回のWCPFCでは、日の水産外交のこれまでのやり方がひっくり返されました。日の水産外交は大きな転機を迎えているといえます。そのことを指摘する識者のコメントを転載します。真田さんは、会議に実際に参加されたので、誰よりも一次情報をおもちです。そして、井田さんは長年この問題をフォローされている国内メディアでの第一人者です。 WCPFCオブザーバー 真田さん 【WCPFC所感】 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)にオブザーバーとして出席しましたが、いろいろ感ずるところがありました。 まず、非常に驚いたのが、WCPFCで日側の提示する科学的見解にクレディビリティが問われる場面を少なからず見ました。近年日近海でカツオが獲れない現象が続いていることから、日はカツオの資源保護をWCPFCで訴えています。 しかし、WCPFCの下で行われる科学アセスメントでは、資源は悪化していないとされてい

  • マグロの国際会議で日本がフルボッコにされたようです - 勝川俊雄公式サイト

    大変なことになりました。マグロの国際会議で日がフルボッコにされたようです。 12月5日~9日に、フィジーで西太平洋のカツオやマグロの漁業管理を議論する国際会議WCPFCが開催されました。そのなかで、クロマグロの決議が前代未聞の紛糾をした模様です。 クロマグロについては日が中心となり、北小委員会という独立した組織で協議した内容を会議で承認することになっています。北小委員会は、議長も事務局も科学委員も全部日が仕切っています。これまでのWCPFCでは、日が北小委員会を仕切って決めたことが、ほぼ自動的にWCPFC会議で承認される仕組みになっていました。 今年の北小委員会では、米国が中長期的な回復計画をたてようと提案したのに対して、過去最低の稚魚の加入が3年連続しない限り漁獲にブレーキをかけないという日が対立し、新たな規制が何ら合意できませんでした(詳しくはこちらをご覧ください)。この

  • 日本が漁獲上限を設定したから、サバが回復したのか? - 勝川俊雄公式サイト

    NHKのニュースのニュースでサバ漁業について取り上げられていました。 http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2016_0831.html?utm_int=detail_contents_tokushu-business_008 サバやサンマについては、「日はちゃんと規制をしているのに、中国が悪い」という一方的な報道が多いのですが、NHKは日の過去の失敗についても触れています。 太平洋のサバをめぐっては、中国漁船の行動だけを批判するのはフェアではありません。実は日も過去に手痛い失敗をしています。 1970年代まで、太平洋の「マサバ」の資源量は、推計で300万トンから500万トンに上っていました。しかし、日の漁業者が取りすぎたことが原因となって資源量が減少し、2001年には一時、15万トンまで落ち込みました。枯渇寸前の危機的状況だったと

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  • 今年のサンマ漁は厳しくなりそうです - 勝川俊雄公式サイト

    去年はサンマの不漁が大きな話題になりましたが、今期のサンマ漁はどうなるのでしょうか。7/29に水産研究・教育機構が「平成28年度 サンマ長期漁海況予報」を公開したので、その内容について解説します。どうやら、今年もサンマはあまり期待できない感じです。 平成28年度 サンマ長期漁海況予報 日人は、サンマは日の魚と思っているかもしれませんが、実はそうではありません。サンマは太平洋の真ん中の公海に住んでいて、卵を産むために南下します。産卵海遊をしているサンマの一部が、日沿岸を通りかかり、それを我々は漁獲しているのです。ということで、日でサンマが獲れるかどうかは、以下の二点が重要になります。 ① 太平洋の西方面にどのくらいのサンマがやってくるか ②日近海にサンマの漁場が形成されるか ① 太平洋の西方面にどのくらいのサンマがやってくるか 水産研究・教育機構は、毎年、調査船を出して、日方面に

    今年のサンマ漁は厳しくなりそうです - 勝川俊雄公式サイト
  • やっぱり意味が無かったウナギの池入れ規制 - 勝川俊雄公式サイト

    二年前に書いた「あまり意味の無いウナギの池入れ上限」のアップデートです。 日が国として行っている規制は、シラスウナギの池入れ量の上限です。去年に引き続き、今年も枠を大幅に下回りました。実質的に取り放題、入れ放題となっており、規制の効果は皆無です。 シラスウナギの池入れ上限は、例外的に多くのシラスウナギが来遊した2014年の池入れ量から2割の削減した21.7トンです。過去5年(2010-2014)の平均が19.5トンであることを考えると、減少傾向にあるシラスウナギの漁獲に歯止めをかける効果は期待できないことがわかります。 水産庁は、がんばっても到達しない池入れ上限を形式的に設定して、業界の短期的利益を守りつつ、規制に取り組んでいるポーズをしています。資源管理では無く、「資源管理ごっこ」です。これではウナギ資源もウナギ文化も守ることが出来ません。 追記 この前、対馬に行ってきたんだけど、地

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  • 我々日本人が、捕鯨について議論すべき事 - 勝川俊雄公式サイト

    我々、日人が、今、議論すべき事は、「調査捕鯨を続けることが日の国益に適うかどうか」である。シーシェパードへの感情論とは切り離して、調査捕鯨を継続するかどうかを、日の問題として判断する必要がある。 調査捕鯨の歴史 南氷洋の捕鯨について簡単におさらいをしよう。戦後、糧難を緩和するために、日は米国の協力を得て、南氷洋捕鯨を国策として推進した。極洋、ニッスイ、大洋という3つの大手企業が参入したが、南氷洋のクジラが減少したことと、日で鯨肉が売れなくなったことで、収益が悪化した。3つの会社の捕鯨部門を統合して、共同捕鯨という会社をつくったのである。 その後、南氷洋モラトリアムによって、日は商業捕鯨を継続できなくなった。商業捕鯨再開を目指す日は、鯨類研究所を設立し、共同船舶(共同捕鯨が名前を変えた)に調査を委託するという形式で捕鯨産業を守ったのである。この辺の歴史については、いくらでも資

  • 太平洋クロマグロはどれぐらい減っているのか? - 勝川俊雄公式サイト

    今回は一般向けでは無く、メディアや勉強をしたい人向けに、少しだけ専門的な話を書きます。 クロマグロの資源状態について 太平洋クロマグロの資源状態については、1年半前のブログに書いたとおり。日では3.6倍に増えるとか大営発表をしていたが、実際には枯渇した資源に非持続的な高い漁獲圧をかけ続けている。 西太平洋のマグロの管理をしている国際機関WCPFCの科学委員(ISC)のウェブサイトはここにある。 http://isc.ac.affrc.go.jp/reports/stock_assessments.html 最新のレポートはこちら。 http://isc.ac.affrc.go.jp/pdf/Stock_assessment/Pacific%20Bluefin%20Assmt%20Report%202014-%20June1-Final-Posting.pdf ドメインを見ればわかるよう

  • 日本メディアはIUCNのウナギレッドリスト掲載をどう報じたか - 勝川俊雄公式サイト

    日経新聞 2014/6/12 21:53 ニホンウナギ、外・小売りに波紋 絶滅危惧種に http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ120HQ_S4A610C1TI0000/ 世界の科学者で組織する国際自然保護連合(IUCN、スイス)が、絶滅の恐れがある野生動物を指定する「レッドリスト」にニホンウナギを加えた波紋が、外業者などの間で広がっている。野生動物の国際取引を規制するワシントン条約が保護対策の参考にしており、将来、輸入が制限される可能性がある。ここ数年、卸値の上昇で消費者離れが進んでおり、一段の高値を招きかねない決定に困惑している。 資源の問題には触れず、規制のせいで市場が縮小し、業者が困惑しているという内容。ウナギ市場の縮小というグラフがあるが、日のウナギ市場が縮小しているのは規制をしているからでは無く、無規制に獲ってべてきたから資源が無くな

  • ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである - 勝川俊雄公式サイト

    ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約で規制される可能性が高まってきた。日のメディアは、「ウナギの値段が高くなる」と危機感を煽っているのだが、当にそうだろうか。そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が拡大し、日人がべ尽くしてしまったからである。つまり、無規制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・文化の存続には、何らかの規制が必要なのは明白である。 ワシントン条約でウナギがべられなくなるのか? ワシントン条約には、付属書I、II、IIIがある。 付属書Iは当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴリラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁止。ということで、ここにカテゴライズされると、輸入ウナギはべられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属

  • ウナギに関する日本メディアの報道 - 勝川俊雄公式サイト

    つい最近まで、「ウナギ豊漁→安くなる」と楽観的な報道を繰り返していた日メディアなのですが、IUCNの日ウナギをレッドリストに掲載するかもしれないという情報で、「規制されると値段が高くなる」という論調に逆転しました。目先の価格以外に考えることは無いのでしょうか。 朝日新聞デジタル 2014年6月10日08時01分 神田明美 ニホンウナギ、絶滅危惧種指定へ 国際取引制限の恐れ http://www.asahi.com/articles/ASG695FDYG69ULBJ01C.html かば焼きで日人になじみ深いニホンウナギについて、国際自然保護連合(IUCN)は、12日に発表する、生物の絶滅危機に関する情報を紹介する「レッドリスト」改訂版に掲載する方針を固めた。絶滅危惧種として指定する見通し。売買やべることの禁止に直結するわけではないが今後、国際取引の制限などにつながる可能性が高まる。

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  • ノルウェーの小規模漁村の高齢化の話 - 勝川俊雄公式サイト

    先週、19歳の若者から、手紙が届いた。漁村で生まれ育った彼は、子供の頃から祖父・父の後を継いで漁業をするのが夢だったという。高校を出たら漁業を継ぐつもりだったが、「漁業には先が無いから」と両親に反対され、大学に通っているそうだ。漁業の夢を捨てきれずに、自分でいろいろ調べた結果、俺のに出会い、「資源管理をすれば、自分も漁業で生活できるようになるかを知りたい」という手紙を書いたのである。この手紙を読んで、俺は申し訳ない気持ちで一杯になった。我々日の大人たちが、構造的な問題から逃避してきた結果として、若者の夢が奪われているのである。もし、彼がノルウェーに生まれていたら、何も悩むこと無く、漁業を継いで豊かな生活を送ることができたはずだ。日とノルウェーで、なぜこのような差が生じるのだろうか。 ノルウェーの小規模漁村の現状 先週、ノルウェーの漁業副大臣が来日したのに併せて、日・ノルウェーマリン

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  • 日本は、なぜ乱獲を放置し続けるのか?水産庁の言い分を検証 - 勝川俊雄公式サイト

    当ブログでは、漁獲規制の不備によって、日の漁業が衰退していることを繰り返し指摘してきた。多くの読者から、「なんで水産庁は規制をしないのか?」という疑問の声が上がっている。その疑問に対する水産庁の言い分を紹介しよう。 水産庁が資源管理をしない理由をまとめた背景 2007年に安倍内閣によって設置された内閣府の規制改革会議では、経済重視の観点から様々な規制が議論された。水産分野においては、無駄な規制を取り除くというよりも、漁業が産業として成り立つために必要な漁獲規制を要請する内容であった。 規制改革推進のための第3次答申-規制の集中改革プログラム-(平成20年7月2日) 詳しい内容は上のPDFのP60から先に書いてある。 水産業分野についても、農業・林業分野と同様、就業者数の減少や高齢化が進んでいる状況にあるが、それ以前に、水産資源の状態が極めて悪化しており、それ故、生産、加工、流通、販売、消

  • 勝川俊雄公式サイト - シラスウナギの豊漁報道の異常性

    去年は、シラスウナギの不漁が社会的な問題になりました。今年は一転して、楽観的な報道が相次いでいます。 「ウナギ稚魚価格、昨年の4分の1 漁獲量が大幅増」(日経新聞 2/4) 「シラスウナギ豊漁の気配 うな重お手ごろはまだ先?」(中日新聞1/31) 「シラスウナギ漁回復の兆し」(読売新聞 2/23) ウナギ稚魚「やっと正常」…豊漁で値下がり期待(読売新聞 3/1) http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140301-OYT1T00709.htm これらの報道に対する読者のリアクションは、おおむね好意的 嬉しいなあ~~!\(^^)/ 値上げを我慢してくれた鰻屋さんにも感謝。 うなぎ好きにとってはうれしいニュース! 是非値下がりして欲しい、『うなぎをがっつりべたい!!』ですヽ(;´Д`)ノー 一部で心配をする声もありました。 これを機に増やさないと絶

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  • 資源回復計画が予想通り破たんして、青森県のイカナゴが禁漁となった - 勝川俊雄公式サイト

    青森県でイカナゴが禁漁となった。この背景について、考えてみよう。 毎日新聞: イカナゴ:全面禁漁へ 春の味覚、乱獲で激減 陸奥湾6漁協、特定魚では初 /青森 陸奥湾でとれる春の味覚「イカナゴ(コウナゴ)」が乱獲などで激減していることを受け、県と湾内6漁協は今春から、全面禁漁することで合意した。当面、禁漁期間は定めないまま資源量の回復を待つ。 昨年の湾内の資源量は1000万匹以下とみられ、県は3億匹まで回復させることを目指す。 湾内でのイカナゴの漁獲量は73年の約1万1745トンをピークに減少が続き、昨年は約1トンまで落ち込んだ。漁獲金額も77年の約11億円から昨年は約40万円に減っている。海水温の低下でイカナゴが育ちにくくなったことや乱獲が原因とみられる。 http://mainichi.jp/area/aomori/news/20130214ddlk02040018000c.html

  • シーシェパードが急成長した原因は、日本の失策 - 勝川俊雄 公式サイト

    ここ数年のシーシェパードの装備の充実には目を見張るものがある。2007年12月には、スコットランドの漁業監視船を中古で購入し、さらに、2010年には、中古の捕鯨船を購入する羽振りの良さだ。 M/Y Steve Irwin December 5, 2007 全長53m, スコットランドの漁業監視船 M/Y Bob Barker January 5, 2010, 全長52.2 m、ノルウェーの捕鯨船 今は、ヘリコプターも持っているので、ひとたび発見されたら、逃げ切るのは困難だろう。 切っ掛けはザトウクジラ シーシェパードの急成長の要因は、水産庁のザトウクジラ捕獲宣言だ。豪州やNZのホエールウォッチング愛好家は、南氷洋のザトウクジラを個体識別して、名前をつけて、愛でている。水産庁は、2007年から、南氷洋のザトウクジラを50頭捕獲すると宣言して、南半球の反捕鯨運動の火に油を注いだのである。豪州は

  • 漁獲管理・資源管理 ウナギが減ったのは誰の責任か? - 勝川俊雄 公式サイト

    では、ウナギを守るための実効性を持った取り組みは現在進行形で行われていない。非持続的な消費は今も継続している。ウナギが減ったのは誰の責任かというと、獲った漁業者も、売った小売りも、べた消費者も、非持続的な消費システムの一員である以上、責任はあるだろう。規制すべき立場にいた水産庁も、警鐘を鳴らすべき立場にいた我々専門家も、無責任の誹りを免れない。俺自身も、これまで何十年もウナギをべてきたのだから、他人事のように非難できる立場では無い。当事者として、自らの責任を認めた上で、未来につながる行動をとらないといけない。 ウナギの資源回復を誰が主導でやるべきだろうか。もちろん、皆が出来ることをやるべきである。 行政は、法整備をして、非持続的な漁獲を抑制すべきである 漁業者は、非持続的な漁獲を控えるべきである 小売りは、非持続的な漁業で獲られた魚を扱うべきでは無い 消費者が、非持続的な漁業で獲ら

  • ウナギをどう看取るか? - 勝川俊雄公式サイト

    某生協から、「ウナギの消費について、俺の意見をききたい」という依頼があった。ウナギを取り扱うかどうかで、内部で議論をしたが、話がまとまらなかったので、俺の意見を参考にしたいというのだ。そのときに話した内容を簡単にまとめてみた。ウナギをべるかどうかは、なかなか難しい問題だ。こうすべきという正解があるわけではない。そのことを踏まえた上で、一つの意見として読んでもらえれば幸いだ。 ウナギ問題を考える出発点として、日のウナギ消費がどのような状態であったかを、把握する必要がある。ウナギについては、こちらのサイトが詳しいので、まず読んでほしい。このサイトに目を通したことを前提で、話を進める。 http://nationalgeographic.jp/nng/article/20120710/315508/ 我々のウナギ消費の歴史を振り返るとこんな感じ 60年台から、ニホンウナギの漁獲量は減少の一途