菊池雄星の大学進学への疑問。 ~思い起こされる落合の言葉~ 鷲田康 = 文 text by Yasushi Washida photograph by KYODO 1993年12月のことだった。 その年、フリーエージェントで巨人移籍が決まった落合博満内野手(現中日監督)と入団2年目を迎えようとしていた松井秀喜外野手(現ロサンゼルス・エンゼルス)の対談に立ち会ったことがある。 球界の大先輩との対談というのに、約束の時間になっても松井が現れずに遅刻。そんなハプニングもありハラハラしたことばかりが記憶に残っているのだが、その中で落合が最後に話した言葉を今でも鮮明に覚えている。 「女遊びをしてもいいし、酒を飲んでもいい。でも、まずすべてに優先して野球を考えろ! まず野球、それだけだな……そうすれば他のことをやる暇はなくなる」 遅刻したことを怒るでもなく、飄々と対談をこなした最後に残