先日の研究会で私の研究は、修復的「司法」なのか修復的「正義」なのかで紛糾してしまいました。もともとは、restorative justiceという単語なのですが、訳語に議論があり、かつては「恢復的正義」なんて語もありました。とりあえず訳語を避けて、ここでは広い意味でのrestorative justiceを「RJ」と略して使います。 RJは1970年代より西欧先進国を中心に広まっていった概念です。ある時期から、それぞれの地域や共同体の中にある、近代刑事司法とは違うやり方で人間と人間のトラブルを解決する実践を、RJと総称するようになりました。 RJには統一した定義はありません。人工的な概念で、私たちの生活の中から生まれてきた言葉というよりは、「新しい紛争解決の方法に注目していこう」という動きの中で広められた言葉です。よく言えば柔軟だし、悪く言えば空虚です。 RJ概念が生まれてきた背景には、従
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