▼〈耕論 リベラルを問い直す〉10月31日、朝日新聞(筆者=山口二郎、竹内洋、増原裕子) 最近、『朝日新聞』が、〈自分自身=リベラル〉を問い返すような論説を識者に書かせることが多い。朝日の自己不安を感じないでもないが、なかでも目に留まったのは「リベラルを問い直す」という表題で10月31日付「耕論」欄に載った政治学者の山口二郎氏と、教育社会学者の竹内洋氏、それにLGBTコンサルタントの増原裕子氏のリベラル論だった。ただ、それだけでは、単にバラバラな意見表明でしかないのだが、後日、また朝日が掲載した犬塚元氏の「リベラルとは何か」という論説(11月12日朝刊)を補助線とすると、現在における「リベラル」衰退の意味がハッキリと見えて来る気がした。 朝日新聞東京本社 ©文藝春秋 たとえば、犬塚氏は1990年代に、「保守対革新」に代わって「保守対リベラル」が言われだしたことを指摘し、その前提として19世