参院選の街頭演説中に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相の葬儀に、陸上自衛隊の特別儀仗(ぎじょう)隊が参列していた。磯崎仁彦官房副長官は28日の記者会見で、儀仗隊の参列について「自衛隊の最高指揮官だった元首相の葬儀に際し、防衛省・自衛隊としての弔意を表すため」だと説明した。 磯崎氏は法的根拠に関し「自衛隊の礼式は、防衛省令の定めるところによる」とした自衛隊法6条を挙げた。過去にも首相や防衛相経験者らの葬儀で「遺族の意向も踏まえ、儀仗を実施している」と述べた。
安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の供述によりクローズアップされた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」。山上容疑者は、母親が入信後に破産するほどの献金をして家庭が崩壊したため同会への恨みを持ち、同教会とのつながりが深い安倍氏を狙うことにした、などという趣旨の供述をしているという。同会と自民党との関係は、半世紀以上前までさかのぼるとされるが、その経緯や実態はどうなのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史) 旧統一教会とはどんな団体か。フランスの経済紙「レゼコー」は襲撃事件後、欧米では「カルト宗教」と認識されていると報じた。上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)は「活動の基軸はあくまで宗教的理念と実践。その活動の中において多くの問題を抱え、人権侵害や違法行為を積み重ねてきた宗教団体だ。他の宗教一般と同列には扱えない」と話す。 旧統一教会は教祖の故・文
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻んでいる実態が内閣府の調査で鮮明になり、専門家などから政府に対策を求める声が上がっている。交流サイト(SNS)上では、子が親を選べないことをもじった「親ガチャ」との表現が拡散しているが、専門家は責任は保護者でなく、貧困対策に力を入れてこなかった国にあるので、むしろ「国ガチャと言える」と指摘する。SNSでも「自己責任論で片付けたら、子どもの幸せは実現できない」などの意見が広がる。(市川千晴) 内閣府が全国の中学2年生とその保護者5000組に実施した調査では、貧困層で学校の授業が「ほとんどわからない」「わからないことが多い」と答えたのは計24%。暮らしが比較的安定している層の3.3倍に上った。進学希望では、貧困層の33.9%が「中学・高校まで」と回答し、安定層の4.3倍に達した。 「親ガチャ」はオンラインゲームの電子くじ「ガチャ」と保護者を掛け合わせた言葉
【パリ=谷悠己】フランス・パリにある国家的偉人の殿堂パンテオンに11月30日、米国出身の歌手ジョセフィン・ベーカーさん(1906―75年)が黒人女性で初めて祭られた。仏国籍を取得し人種差別と闘い、第2次世界大戦中はドイツ軍の占領に抵抗するレジスタンスの一員としてフランスの解放に貢献した功績が認められた。 20歳で渡仏。パリでダンサーとして成功後に歌手としてヒット曲を連発したが、当時の差別状況に心を痛め仏国籍取得を決意。第2次大戦中は仏空軍将校となり、レジスタンス通信員として弾圧から逃れた仲間やユダヤ人をかくまった。
東京都は27日、新型コロナウイルスのワクチンが行き渡っていない若年層が予約なしで受けられる接種会場をJR渋谷駅近くの渋谷区立勤労福祉会館に開設した。接種は1日200人程度を見込んでいるが、初日は希望者が早朝から殺到し、午前7時半に受け付けを終了した。 午前9時15分ごろに登庁した小池百合子知事は「12時からの接種のスタートの日ですけれども、もうすっかり長蛇の列で整理券をお配りしていると思います」と説明。その上で「いずれにせよ、そういった場所、接種の場所も他にもございますし、できるだけワクチンを早く打っていただく。全ての方にワクチンを希望される方にできるように、いろんな工夫もさらに重ねたいと思います」と語り、「暑いので、お気を付けください」と述べた。
安倍晋三首相が、大阪城の復元時にエレベーターを設置したことを「大きなミス」とした発言の波紋が広がっている。そもそも現在の大阪城天守閣はどのような経緯で再建されたのか。首相の発言をファクトチェックすると、首相の発言に「ミス」があった。 首相は、G20サミットの夕食会のあいさつで「明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失したが、天守閣は忠実に復元された」と言及した。これについて、大阪城天守閣の館長を長年務めた歴史家の渡辺武氏は「『忠実に復元』という点がそもそも間違っている」と指摘する。 現在の大阪城天守閣は一九三一(昭和六)年に大阪市によって復元された。モデルとなったのは天下統一を目指す豊臣秀吉が一五八五(天正十三)年に築造し、一六一五(慶長二十)年の「大坂夏の陣」で焼失した「豊臣天守」と呼ばれる天守閣だ。 豊臣天守の図面は残されていないが、天守閣が描かれた屏風(びょうぶ)絵などを基に外観を再現。鉄
自民党の務台俊介衆院議員=長野2区=は十七日、国会内で開かれた会合で「『保育園落ちた』との話があるが、東京を便利にすると、ますます東京に来て子育てしようとなる。ある程度、東京に行くとコストがかかり不便だ、としない限り駄目だ」と述べた。 東京など都市部で深刻な待機児童問題の解消は不要とも受け取れる発言。子どもが保育園に入れない憤りを「保育園落ちた日本死ね」と書き込んだブログへの賛同が広がっているさなかだけに、波紋を広げそうだ。 会合は「行き過ぎた東京一極集中を打破する議員連盟」の設立総会。務台氏は途中退席し、ブログについて「本当に保育所に入りたくてやっているのか、安倍晋三首相が嫌いで言っているのか、よく分からない。実態を調べないといけない」と記者団に述べた。
祖国の日本と、生まれ育った中国。日中のはざまで翻弄(ほんろう)されながら、激動の時代を駆け抜けた山口淑子(よしこ)さんが、九十四年の生涯を閉じた。女優「李香蘭(りこうらん)」として、数奇な運命をたどった過酷な体験から、心の中にはいつも戦争への憎しみがあった。 首に巻いたカラフルなスカーフが印象に残る。年を重ねるにつれ、「大和なでしこ」として身だしなみに気を使っていた。 旧満州(中国東北部)で中国語を教えていた父に連れられ、三歳から北京語を学ぶ。「子どものころから日中のレールの枕木の一本になり、親善に役立ちたいと思っていました」。一九九二年九月に本紙が取材した際、日中両国への思いがひしひしと伝わってきた。 「中国は私のふるさと」と断言する山口さん。北京の女学校時代、抗日集会で「日本軍が迫ってきたらどうするか」と決意表明を迫られた時、「北京の城壁の上に立つ」と答えた。日中双方を愛するので、どち
今年で生誕160年とされる名探偵シャーロック・ホームズ。近年、ドラマや映画でリメークが相次ぎ、若い女性ファンが急増、「シャーロキアン」と呼ばれる熱心なファン層にも、新しい波が押し寄せている。ホームズはなぜ現代の女性たちをも魅了するのか、謎に迫った。 (樋口薫) 東京・神田に期間限定オープン中の「パブ シャーロック・ホームズ」。午後五時、カフェから営業形態が変わると、わずか十分で四十席ほどの店内は満員になった。客足は途絶えず、地下のレストランが待合所代わりに使われる。その八割以上が女性客だ。 店内には、ホームズを演じた歴代の俳優約三十人の顔写真がずらり。原作者コナン・ドイルの肖像や、雑誌掲載時の挿絵も飾られている。鹿撃ち帽とインバネスコートを身に着け、記念撮影するカップルの姿も。友人二人と訪れた三十代の女性は「この雰囲気だけで酔っちゃいそう」と、登場人物の名が付いたカクテルをすすった。
今秋、世界各国から子ども虐待に関わる研究者、医療者、行政関係者らが集う「子ども虐待防止世界会議」が名古屋市で開かれる。二年に一度の開催で二十回目、日本では初めてだ。実行委員会事務局長の山田不二子医師に、世界の知見から学ぶべき点について聞いた。 (吉田瑠里)
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く