日本の安倍晋三首相がとても懸念しているのは、自国の経済が中国の経済に比べて衰えることだ。安倍氏が経済の再生を目指して「アベノミクス」をぶち上げたのはそのためだ。 では、この施策は成功を収められるだろうか? 答えはイエスだが、その成功は部分的なものにとどまるだろう。デフレを終わらせる可能性は十分にあるが、経済成長率を大幅に引き上げることはできそうにない。 アベノミクスは「3本の矢」で構成される。第1の矢は、デフレの終結を目指した金融政策。第2の矢は、短期的には日本経済の下支えを、長期的には財政の安定性を目指した柔軟な財政政策。そして第3の矢は、投資の増額と経済のトレンド成長率の引き上げを目指した構造改革である。 命中する可能性が最も高いのは第1位の矢の金融政策 この3本のうち、命中する可能性が最も高いのは第1の矢だ。日銀は今年1月、消費者物価の2%上昇という目標を明示した。だが新しいアプロー