厚生労働省は25日、経口中絶薬の使用条件を緩和する方針を明らかにした。現在投与は入院できる医療機関に限定し、中絶が確認されるまでの間、女性の病院待機を必須としているが、緊急時に適切な対応が取れれば、無床診療所での投与や投与後の帰宅を可能とする方向で検討している。自民党の小委員会で報告した。今後詳細を議論する。中絶薬はラインファーマの「メフィーゴパック」。妊娠継続に必要なホルモンの働きを抑える
日本のフェミニストだけが堕胎罪廃止を主張 戦前はどこの国にも堕胎罪だけがありました。 いかなる事情があっても堕胎は犯罪だったのです。 日本では1948年に、欧米では1970年前後に、 堕胎罪を阻却する法律が制定されます。 つまり、一定条件に当てはまる中絶について、 堕胎罪の規定を無効化することにしました。 これを中絶の合法化と言います。 中絶の合法化の際、従来の堕胎罪を廃止した国はありません。 従来の堕胎罪はそのままで、堕胎罪の阻却条項を持つ法律をつくりました。 堕胎罪の阻却条項を持つ法律が制定されると、 従来の堕胎罪は非合法堕胎処罰法に性格が変化します。 日本の刑法堕胎罪も非合法堕胎処罰法の性格を持っています。 イギリスには1861年制定のOffences Against the Person Actがあり、その58条・59条が堕胎罪です。 アメリカでは少なくとも38州に堕胎罪があり、
イギリスの中絶クリニックを視察した北原さん。日本とのあまりの違いに打ちのめされたという(写真はイメージです/gettyimages) この記事の写真をすべて見る 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回はイギリスの中絶クリニックを視察して考えた、日本との大きな差について。 【実際の写真】イギリスの中絶クリニックに掲示された注意書き * * * ゴールデンウィークに、イギリスの中絶クリニックを視察してきた。 「中絶クリニック」とサラリと書いてはみたが、日本にはそのような病院はない。妊娠すれば産婦人科に行くしかなく、中絶するときも妊婦健診に来た女性たちと同じ待合室で待つ。 ……という日本の現実は、激しい形相で「ノォーッ!」と叫ばれるようなことなのだということを、私はイギリスで初めて知った。イギリスの中絶クリニック、そこは日本の現実とあまりに違い、私はこういう世界を「想
令和2年(2020年)1月5日(日) / 日医ニュース 母体保護法の運営の適正化を目指して 令和元年度家族計画・母体保護法指導者講習会 000 印刷 令和元年度家族計画・母体保護法指導者講習会が昨年12月7日、日医会館大講堂で開催された。 平川俊夫常任理事の司会で開会。冒頭のあいさつで横倉義武会長(中川俊男副会長代読)は、「政府が全世代型社会保障制度改革を掲げ、成育基本法が施行されたことに伴い、産婦人科医には妊産婦の孤立を防ぎ、女性が安心して子どもを産み、育てるための環境づくりへのきめ細やかな支援等を行うことが求められるようになっている」として、その役割の重要性を強調するとともに、参加者に対しては、「本講習会の成果をぜひ、日頃の活動に役立てて欲しい」とした。 来賓あいさつを行った木下勝之日本産婦人科医会長は、旧優生保護法が改正され、母体保護法が成立するまでの経緯や社会的背景を詳細に説明。
2022.02.04 「マイページ」が使いやすく変わりました!(シリアル登録、コンテンツ検索がスムースに) 顧問先のクリニックから「未成年の患者さんが単独で受診された場合にどうすればよいか」というご質問をいただくことがあります。 もちろん、「治療内容等について親権者の同意をとる」というのが、原則です。しかし、「未成年の患者が単独で来院した場合は一切診察に応じない」というのは、非現実的です。コロナ禍の状況下においては、待合室での密を軽減する観点から未成年者のみの受診を勧めるべき場合もあると考えます。 やはり、患者の年齢や判断力、理解力に応じた対応をすべきでしょう。例えば、小学生以下の患者であれば、患者本人に、診察について親権者の同意を得ているかを尋ねたり、場合によっては電話で親権者に確認をとるといった対応が考えられます。一方、概ね中学生以上であれば、治療内容も十分理解可能と考えられるので、そ
中絶について議論するとき,かならず「命の選別」という単語がでてきます.新聞雑誌でもテレビでも見出しにはかならずそう書かれます.数年前に記者さんと徹底的に議論したことがあって,そこでも議論をもとに記事を書いていただいたことがありました.「命の選別」はいまや単なる思考停止,思考の怠慢にすぎないから,そこを乗りこえていこうと同意し,それなりの記事になりました. 記事のなかには「命の選別」ということばは一度もでてきません.それにもかかわらず,デスクと呼ばれる編集長が見出しのなかに勝手に「命の選別」といれてしまったのです.「命の選別」はおそらく80年代にはじめてでてきた概念で,みなの注目を浴びて一世を風靡しました.新聞の編集長世代は,わかいときにそういった議論の渦中にいて,40年ちかくたったいまもそこで思考がとまっているわけです. この真意は,女性はなんらかの意味で中絶する権利をもつことを認めるが,
ジェンダー格差-実証経済学は何を語るか (中公新書 2768) 作者:牧野 百恵 中央公論新社 Amazon 「ジェンダー格差」と「実証経済学」の組み合わせに惹かれたこと、そして中公新書というレーベルの信頼度から、発売日直後に購入。 他にも読んでいる本はあるんだけれど発売直後の本は早いとこ書評を書いたほうが宣伝にもなるものなので、読み終わった直後であるが簡単に感想を書いておく。 本書はまさに副題通りの「経済学」の本であり、著者も序章で「私はジェンダーの専門家ではありません」と明言している(p.ⅳ)。また、経済学は価値判断を下す学問ではなく、あくまで現実を分析して事実を明らかにするためのツールであるということが本書では繰り返し指摘されている。これらの点は、本書の長所であると同時に弱点にもなっているように思えた。 本書の長所としては、近年の人文学的なジェンダー論者やフェミニストが「資本主義的」
「ピルとのつきあい方」ホームページのブログです。 「ピルとその周辺」ではタイムリーな話題や幅広い関連事項を取り上げます。 ツイッターアカウントに連動し、つぶやきの真意を文章化します。 ↑左上の検索窓でブログ内検索ができます。 1600年から100年余りの間で、人口は約3倍強に増えています。 新田開発などによる食糧増産が人口増を可能にしました。 もう一つ見逃すことのできない要因は、自作農(本百姓)の創出です。 自作農経営は後継者がいて継続できます。子どもを多めに産み育てようとしたことが、人口増加の要因になったでしょう。 この100年余りの間に画期的な医学の進歩も生殖技術の進歩もありません。3倍強の人口増は、出生数の増加によるものです。食料があれば、ヒトは100年で人口を3倍強にする事ができることを示しています。 1700年過ぎから幕末までの約150年間、一転して人口は静止化します。食糧増産が
生命倫理とフェミニズムを融合するひとつの動きとして「フェミニスト生命倫理」の発展が挙げられる。本稿はそこで論じられるトピックの中でも特に、自律を抑圧に抵抗する拠点として論じる「フェミニスト的な関係的自律」に関する先行研究を概観することを主たる趣旨としている。フェミニスト的な関係的自律は、それが「関係的であること」と「フェミニスト的であること」に関して、それぞれ批判を受けてきた。そこで本稿では第一に、それらの批判を概観し、哲学的な理論上ではフェミニスト的であることを重くとらない関係的自律の議論に一定の優位性があることを確認する。第二に、フェミニスト生命倫理やフェミニスト的な関係的自律の起源として、性と生殖を巡るフェミニズムの運動に立ち返る。このことを通して、抑圧への抵抗としてフェミニスト的な関係的自律を論じ続けることには依然として意義があり、またそれは歴史的観点から要請されるものでもあるとい
「思い起こせばいろいろ困難はありました。今は喜びでいっぱいです」 今年5月中旬、都内で開かれた記者向けの勉強会。国内初となる経口中絶薬の製造販売が承認された2週間後のことだ。マイクの前に立ったラインファーマ(東京都港区)の北村幹弥社長はこう語った。 複数の女性団体が、承認前から関係省庁に要望書を繰り返し提出。審議前に厚生労働省が募ったパブリックコメントに集まった意見は、約1万2千件に達した。薬事関連では通常の100倍以上にあたるという。賛成の意見が反対の倍に上った。承認のニュースが飛び込むと、SNSには、「女性の怒りがようやく実を結びました。長かった……」などと声があふれた。 この薬「メフィーゴパック」は2種類の薬を組み合わせて使う。胎児の成長を止める一つ目の薬を服用後、36~48時間後に子宮の収縮を促す二つ目の薬を口の中に30分間含んだ後に飲み込む。すると子宮の内容物とともに胎嚢が排出さ
1988年にフランスで承認された「飲む中絶薬」は、今春、日本で承認された。だが、現在でも全国で取り扱っている施設はわずか34カ所(7月23日時点)。なぜ35年も承認に至らず、今も普及しない状況にあるのか。複数の医師は「日本産婦人科医会(医会)」の影響を口にした。「掻爬(そうは)」であれば、10分の手術で約10万円。経験に基づく安全性のもと、女性の心身は配慮されてこなかったのではないか。医師や医会、薬事政策に関わる政治家らに聞いた。(文・写真:ジャーナリスト・古川雅子/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 独自に行った28人への取材をもとに、3回シリーズで「35年の真相」を追う。第2回の本記事では、中絶を行う医師や医会が経口中絶薬を長年扱おうとしなかった理由を取材した。 JR田町駅近くの婦人科クリニック。5月末の早朝、一人の女性が訪れた。女性が院内で服用したのは、飲むだけで人工妊娠
本論文は、人工妊娠中絶(以下、中絶)に関連する諸問題が韓国政府の人口調整政策によっていかに歴史的に影響を受けてきたか、また韓国の現代のリプロダクティブ・ジャスティス運動がいかに社会変革に寄与したかを調べたものである。2019年4 月11日、韓国の憲法裁判所は中絶禁止が違憲であると判決を下した。これにより、韓国議会は2020年12月31日までに制定66年になる反中絶法(堕胎禁止法)を改訂しなければならなくなった。この歴史的な判決は、韓国の数多くのフェミニスト団体、医師たちの組織、障害者権利グループ、若きアクティビストたち、宗教団体が力を結集し2017年に立ち上げたジョイント・アクション・フォー・リプロダクティブ・ジャスティスのためのジョイント・アクション(Joint Action for Reproductive Justice,以下Joint Action)の運動と密接に関連していた。本論
人工妊娠中絶abortionについて,社会学の説明などで使われることがある4象限図(four quadrant chart)をまねして分析してみました.Abortionの是非を横軸,selective abortionの是非を縦軸にして,abortion全体にたいして4つの考えかたの立場に分けてみたものです. 人工妊娠中絶の4象限図厳密にはselective abortionはabortionにふくまれますが,ここでのabortionはselective abortionをふくまない一般的なものとしています.矢印は価値観の概念的な展開をあらわしているもので,決して「歴史」的にこのように進んできたものではありません. まず第1象限(first quadrant)は,いっさいの中絶を道徳的に認めない立場です.アメリカでは一般にpro-lifeと通称され,思想的には保守主義的(conservat
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