ファシズム政権の暗部を隠す広告燈の役割も担っていたオーケストラ、エル・システマのバイオリン奏者Armando Cañizales(18)も抗議中に銃弾を受け殺された。 政治活動や言論の自由を求めて、何十万、何百万という国民がデモを行うことは、めったにない。独裁政権でも、それなりの生活が保障されていれば、国民はさほど文句を言わない。ベネズエラでは、国会の立法権の剥奪の試み、大統領選出馬阻止を目的とする野党リーダー、エンリケ・カプリレスの政治活動15年の禁止と、その事務所への放火などをきっかけに、マドゥロ大統領退陣を求める大規模な抗議行動が3年振りに広がっている。底流には何があるのか? 昨年7月まで6年ほど留まっていたベネズエラの耐えがたい日常を報告する。 電気も水もない 銃弾はある 土曜日の午前中にテレビでチャンピオンリーグの試合を見ているとき、突然、停電となった。途上国では珍しいことではな
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