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ブックマーク / blog.livedoor.jp/beziehungswahn (34)

  • 精神疾患と炎症(その1 双極性障害 part1) : 場末P科病院の精神科医のblog

    5月27 精神疾患と炎症(その1 双極性障害 part1) カテゴリ:双極性障害炎症 最近、精神疾患と炎症との関連性を示す論文が急激に増えている。しかも、炎症は、中枢神経系にのみ限局したような炎症ではなく、消化器系の炎症や他の部位の感染症といった中枢神経系以外に由来する炎症が強く関与していることが分かってきている。精神疾患の根的な原因は中枢神経系ではない可能性もあるのである。このような見地から、今では、精神疾患の予防や予後管理においては、身体の全ての部位における炎症をどのように抑えていくべきかが極めて重要なテーマになると認識され始めてきている。  今回は、精神疾患の中でも、双極性障害(BD)に的を絞って、双極性障害と炎症との関連性に関する最近の論文や知見を紹介したい。 前書きで述べたように、まず、消化管の炎症が双極性障害では大きく関与している可能性がある。昨年度の12月に双極性障害と消化

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    yuiseki
    yuiseki 2017/10/11
    人体の不思議情報です
  • congnitive enhancer、スマート・ドラッグについて(その2 実際の効果) : 場末P科病院の精神科医のblog

    2月25 congnitive enhancer、スマート・ドラッグについて(その2 実際の効果) カテゴリ:cognitive enhancer、スマートドラッグ薬物乱用 (前回の続きである) 健常者への認知機能増強剤(cognitive enhancer)としてのADHD治療薬の効果  ADHDの治療として使用するような薬剤が、健常者においても当に認知機能を高めるような効果を有するのであろうかと疑問に思っている研究者は多い。健常者でも効果があるという販売会社の宣伝や、ネットでの書込は当なのだろうか。背景には、ユーザーのCEに関する認識の甘さ、誤解、思い込みがあるのでなかろうか。 まず、認知機能を改善する薬剤として有名なものとしては、認知症への治療薬がある。コリン・エスタラーゼを阻害し、脳内のアセチルコリンのレベルを上げる薬剤(ドネペジルなど)やNMDA受容体をアロステリックに阻害す

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  • エビリファイ : 場末P科病院の精神科医のblog

    3月5 エビリファイが全米で売上No1の薬剤になった 今回は2013年度のアメリカでの薬剤の売上ベスト100についてです。なんと、あのエビリファイが全ての薬剤の中で売り上げNo1に輝いたのです。アメリカ人はエビリファイを飲みながらストレス社会で逞しく生き抜いているのでした。http://www.medscape.com/viewarticle/813571#1(Source: IMS National Sales Perspectives, IMS Health) 以下の薬剤が2013年度のアメリカ合衆国での売上ベスト20の薬剤です(2012年10月1日~2013年9月30日)。 1 Abilify $6,460,215,3942 Nexium $6,135,667,6143 Humira $5,549,996,8554 Crestor $5,310,818,8895 Cymbalta $

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    yuiseki
    yuiseki 2017/07/24
    エビ
  • 瞑想は脳を守る、脳の容積が増える : 場末P科病院の精神科医のblog

    4月22 瞑想は脳を守る、脳の容積が増える カテゴリ:双極性障害瞑想 前回のブログで、双極性障害の自己管理で病相後における機能の低下を防ぐには瞑想が良いと述べたが、瞑想の様々な効果はこれまでに多くの学者によって確認され報告されているのであった。 これまでの瞑想の脳への効果を要約すると、感情や気分のコントロール能力の向上、免疫機能の調整、抗酸化活性を高める、ストレス誘発コルチゾールの分泌を減らす、ストレスなどの脳への刺激に対してにバランスが取れた応答が可能になる、ストレスレベルの低下、ストレスの解消、肯定的な感情や高次の感情を育む、神経回路網を強化する、認知予備能力や認知機能を高める、注意力や集中力が高まる、瞑想をマスターした人の脳波所見では前頭部のθ波が増す(=リラクゼーションの状態にある)、PTSDの症状を緩和させる、など、様々なすばらしい効果が報告されている。瞑想にてADHDの症状まで

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    yuiseki
    yuiseki 2017/03/30
    “瞑想をする。なんてすばらしいことなのだ。”
  • congnitive enhancer、スマート・ドラッグについて(その1 学生への蔓延) : 場末P科病院の精神科医のblog

    2月21 congnitive enhancer、スマート・ドラッグについて(その1 学生への蔓延) カテゴリ:cognitive enhancer、スマートドラッグ薬物乱用 http://visual.ly/smart-drug 大学受験のシーズンが始まろうとしている。そろそろ国立大学の前期試験が始まる頃なのではあるが、受験生が勉強していて感じることは、もっと頭が良かったら、もっと速く問題を解く能力があれば、もっと記憶力が良ければ、もっと集中力があれば、なぜ勉強をする気にならないのであろうか、最後の追い上げをせねばならない時期なのに・・・、などと感じ、自分自身の能力の無さや、やる気の無さを嘆く受験生が多いのではかなろうか。 日では、大学受験までが大変なのだが、かたや、アメリカなどの海外では大学に入学してからの方が大変なのであった。大学時代に良い成績を収め、クラスメートより少しでも上位の

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    yuiseki
    yuiseki 2017/03/02
  • ゴミ屋敷の住人は精神疾患なのか、それとも、心の傷のせいなのか(ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害、ディオゲネス症候群) その2 : 場末P科病院の精神科医のblog

    12月1 ゴミ屋敷の住人は精神疾患なのか、それとも、心の傷のせいなのか(ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害、ディオゲネス症候群) その2 カテゴリ:ホーディング障害、ディオゲネス症候群difficult patient (前回の続きである) 私は、かってイギリスを旅行した時、イギリス王家の城の中を見たことがあるのだが、呆れ返ってしまったことがある。ウインザー城の中を見学したのだが、なんと中は物だらけであり、壁や棚や陳列台に数えきれない多くの物が所有されており、しかも、その多くは略奪品であり、インドやエジプトや中国といったイギリス以外の国々の物が殆どであった。そして、行く部屋行く部屋全てで、これでもかこれでもかと陳列されていたのである。  (一応、展示物として扱われているのだが、イギリス王家の威信を象徴する宝として、大英帝国の歴代の城の所有者であるの王家の民が世界中から略奪して収集

    ゴミ屋敷の住人は精神疾患なのか、それとも、心の傷のせいなのか(ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害、ディオゲネス症候群) その2 : 場末P科病院の精神科医のblog
    yuiseki
    yuiseki 2016/06/28
  • ゴミ屋敷の住人は精神疾患なのか、それとも、心の傷のせいなのか(ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害、ディオゲネス症候群) その1 : 場末P科病院の精神科医のblog

    11月24 ゴミ屋敷の住人は精神疾患なのか、それとも、心の傷のせいなのか(ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害、ディオゲネス症候群) その1 カテゴリ:ホーディング障害、ディオゲネス症候群difficult patient DSM-5から新しく加わった精神疾患がある。Hoarding disorder (HD)である。ホーディング障害・買いだめ障害・溜め込み障害・貯め込み障害、ふさわしい適切な日語訳は何と表現すべきなのであろうか。  今回は、この難解な疾患(?)がテーマである。 このホーディング障害の極端な例が、ゴミ屋敷となった家であり、そのような家の住人は世界中に存在し、海外でも周囲は多大な迷惑を被っているようである(見た目が不潔で、異臭がたまらんのですが、ゴミ屋敷の住人はそんなことは全く感じていないようです。汗;)。そして、そのゴミ屋敷は、今では、ホーディング障害(Hoard

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    yuiseki
    yuiseki 2016/06/28
  • STAP細胞は存在したのか(嘘についての考察) : 場末P科病院の精神科医のblog

    1月19 STAP細胞は存在したのか(嘘についての考察) カテゴリ:嘘difficult patient (以下の内容に関しては、今回は私の下衆なかんぐりに基づいてブログを書いていることを予め御了承下さい。全てが私が勝手に推測した内容に基づいて書かれたものであり、個人の名誉を損ねてしまうようなことも書かれているため、書かれてある内容は全てフィクションなのだと解釈して頂きたく存じます。) (参考にしたサイト)http://matome.naver.jp/topic/1MOIy 昨年度は、青色LEDの開発という功績が称えられ日からノーベル賞の受賞者が3名も輩出され、日という国の素晴らしさを改めて実感できた1年であった。 しかし、その一方で非常に残念なこともあった。 それは、既に関心が薄まり忘れ去られつつあるが、日の科学界を大きく揺るがせたSTAP細胞である。  STAP細胞の論文がNat

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    yuiseki
    yuiseki 2015/01/30
  • メラトニンの概日リズム以外の多彩な機能。精神疾患や生活習慣病や発癌の予防との関連(その1 シフト勤務や夜勤への対応) : 場末P科病院の精神科医のblog

    9月12 メラトニンの概日リズム以外の多彩な機能。精神疾患や生活習慣病や発癌の予防との関連(その1 シフト勤務や夜勤への対応) カテゴリ:概日リズムメラトニン 夏も終わり、日照時間が短くなってきた。概日リズムが変化する時期である。この季節の移り変わりの時期にはなぜか精神疾患(特に双極性障害)が悪化することが多い。おそらく概日リズムの変化やメラトニンが関係しているのであろう。今回はそのメラトニンに関する話である。 メラトニンが近年、注目されてきている。メラトニンは、精神疾患の予防(認知症、特に認知症前段階であるMCIレベルでの使用、夕暮れ症候群などの予防、双極性障害うつ病などの気分障害の予防)、糖尿病や心血管障害などの生活習慣病の予防、発癌予防(夜勤やシフト勤務が起因していると考えられている前立腺癌や乳癌、等)、アンチエイジング(老化予防)など、様々な疾患の予防や治療に効果を発揮することが

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    yuiseki 2014/11/18
  • カンナビノイドの光と闇 その1 : 場末P科病院の精神科医のblog

    4月25 カンナビノイドの光と闇 その1 カテゴリ:危険ドラッグカンナビノイド 最近、場末であるはずの私が勤務する精神科病院に脱法ハーブの使用で急性精神病状態となり精神科救急を経由して入院した若い患者がいた。自己申告がなされたので、脱法ハーブによる精神症状だと分かったのだが、もし、自己申告もできない程の重度であったならば、おそらく統合失調症と診断されていたことだろう。主治医は救急当直をしていた若手のドクターが担当したのだが、抗精神病薬の1つくらいは投与したくなるような病状ではあったのだが、睡眠導入剤だけで離脱を完了させて短期間で退院していった。彼はさすがである。 しかし、今はこんな場末の病院にまで脱法ハーブの患者が入院してくる時代である。最近は警察官までもが脱法ハーブの使用で辞職している。危険な脱法ハーブが一般市民に広く蔓延してしまっているのではと懸念される。次は私が主治医を担当する番かも

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    yuiseki
    yuiseki 2014/11/18
  • カンナビノイドの光と闇 その2 : 場末P科病院の精神科医のblog

    4月28 カンナビノイドの光と闇 その2 カテゴリ:危険ドラッグカンナビノイド (前回の続きである) カンナビノイドの闇の部分 マリファナはかっては安全で身体依存の形成はなく、あるとしても軽度の精神依存だけであり、しかも有害な物質ではないと考えられてきた。そのため今でも多くの若者が大麻をレクレーションとして利用してもいいと考えている。アメリカのある調査では62%の若者がそのように回答した。そして、アメリカではハイスクールの約40%の生徒(12年生)がマリファナを試しているという調査結果もある。さらに、禁煙社会となり、タバコよりもマリファナの使用が一般的になっているようでもあり、それが若者での大麻の使用増加に結びついている。 今の半数以上の若者がマリファナに関しては安全だと思い試してみても良いと考えているのであった。 しかし、その後の研究によって、マリファナには様々な有害事象があることが判明

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    yuiseki 2014/11/18
  • マイスリーでパクパクモグモグ(睡眠剤による睡眠関連摂食障害) : 場末P科病院の精神科医のblog

    6月27 マイスリーでパクパクモグモグ(睡眠剤による睡眠関連摂障害) カテゴリ:睡眠障害摂障害 今回は睡眠剤に関するテーマである。 日における眠剤の売上No1はマイスリー(ゾルピデム)である。2007年度の売り上げは194億であった。不眠を訴える人がいかに多いかが分かる。マイスリーは超短時間型(半減期2時間未満)であり、翌朝の持越しがなく、依存性や耐性形成が少なく、有害事象が少ないというのが売りである。しかし、睡眠剤は一般的に習慣性、依存性、耐性形成が生じ(マイスリーも同様であろう)、量も種類もだんだん増えていく場合も多く、睡眠剤の処方は年々増える一方である。乱用やOD(大量服薬)も増え社会問題となり、厚生労働省は睡眠剤は事実上2種までに限るという通達を平成23年11月1日に出した。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001tjq1.h

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    yuiseki 2014/11/18
  • ベルソムラという新しい睡眠剤が発売された : 場末P科病院の精神科医のblog

    11月17 ベルソムラという新しい睡眠剤が発売された カテゴリ:睡眠障害オレキシン 2014年9月26日に全く新しいタイプの睡眠剤であるベルソムラ Belsomra(一般名スボレキサント、Suvorexant)という薬が日でも承認された。国内では11月下旬から使用できるのではなかろうか。 (MSDのHPから。ベルソムラ承認のお知らせ)http://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2014/pages/product_news_0926_2.aspx(ベルソムラの治験について。治験番号 NCT01097616)。http://clinicaltrials.gov/show/NCT01097616 ベルソムラは世界初のオレキシン受容体1・2(OX1R、OX2R)を同時に阻害する睡眠剤である(dual orexin receptor antagonist

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    yuiseki 2014/11/18
  • 双極性障害のキヌレニン(グルタミン酸)仮説。躁病相における精神病症状はKYNAの上昇と関連している。 : 場末P科病院の精神科医のblog

    12月6 双極性障害のキヌレニン(グルタミン酸)仮説。躁病相における精神病症状はKYNAの上昇と関連している。 カテゴリ:グルタミン酸双極性障害 かってこのブログで統合失調症や大うつ病におけるグルタミン酸仮説を紹介したが、双極性障害、特に、躁病相においてはグルタミン酸、特に、キヌレン酸の上昇が関与しているという論文があったので、今回はこの論文を紹介したい。時代はモノアミン仮説からグルタミン酸仮説へと確実にシフトしていっているのである。 KMO対立遺伝子(Arg452をコードする)は精神症状を有する双極性障害1型、脳脊髄液中のKYNAの上昇、KMOの発現の減少と関連している「The KMO Allele Encoding Arg452 is Associated with Psychotic Features in Bipolar Disorder type 1, and with Incr

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    yuiseki 2014/10/03
  • 統合失調症の初発エピソードに対する生物学所見と治療 : 場末P科病院の精神科医のblog

    9月15 統合失調症の初発エピソードに対する生物学所見と治療 カテゴリ:統合失調症精神医学 今回は前2回のブログをまとめたような総説を紹介したい。この総説には、統合失調症の発病に絡んでくる灰白質の変化、白質の変化、グルタミン酸神経伝達システム、炎症、認知機能障害、などの内容がコンパクトにまとめられている。このR S Kahnらの総説を読めば、統合失調症の発病に関するメカニズムや、初発時における治療に対する新しい考え方を理解することができるはずである。非常に長い総説であるが、最後まで読んで頂きたい。 統合失調症の初発エピソードに対する神経生物学所見と治療 「The neurobiology and treatment of first-episode schizophrenia」http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp201

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    yuiseki 2014/09/16
  • 治療抵抗性うつ病と炎症 その3 : 場末P科病院の精神科医のblog

    6月12 治療抵抗性うつ病と炎症 その3 カテゴリ:うつ病炎症 (前回の続きである) サイトカイン療法によって抑うつ症状が誘発されるCytokine therapy induces depressive symptoms 例えば、インターフェロンα(IFNα)などのサイトカインやIL-2が免疫療法としてC型慢性肝炎、癌などの治療に使用される。そして、これらの治療を受けるたケースでは大うつ病を発症する傾向があるこが多くの論文で報告されている。IFNαによって誘発されるうつ病の有病率は10~40%であることが示されている。より厳密な調査では、IFNα治療を受けたC型肝炎患者が大うつ病を発症する頻度は20~30%であった。 一方、IFNαによって誘発されるうつ症状は、血清中のサイトカインレベルの変化と関連している。ことが示されている。IFNαによる治療は、直接または間接的に中枢神経系における神経

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  • 治療抵抗性うつ病と炎症 その2 : 場末P科病院の精神科医のblog

    6月8 治療抵抗性うつ病と炎症 その2 カテゴリ:うつ病炎症 (前回の続きである) 神経新生への影響Impact on neurogenesis ある種の抗うつ剤が効果を発揮するためには神経新生が必要な要件となる。サイトカインは神経新生を阻害するというデータが示されている。従って、サイトカインは抗うつ薬の効果を阻害することができ、神経新生の抑制はサイトカインがTRDへと導く第2の主要な経路となる(図2B)。 炎症性サイトカインやサイトカイン誘導物質を投与すると、新たな神経細胞の増殖を減らし、これは特に海馬でで観察された。慢性的なストレスに晒された動物実験では、脳内におけるストレス誘発性の炎症性サイトカインの増加は、神経新生の減少とうつ病様行動に関連していることが示されている。ストレス状況下でも、炎症性サイトカインを阻害すれば、これらの効果を逆転できることが示されている。  IL-1受容体ア

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  • 治療抵抗性うつ病と炎症 その1 : 場末P科病院の精神科医のblog

    6月4 治療抵抗性うつ病と炎症 その1 カテゴリ:うつ病炎症 現在、世界中でうつ病患者が急増しており、うつ病への対策が地球規模の大きな健康問題となっている。うつ病は抗うつ剤で治療されることになるのだが、ここで問題となるのが、抗うつ剤などの治療に反応しない治療抵抗性うつ病(TRD)が存在することである。うつ病の約3割がTRDであると見積もられており、多くの精神科医が対応に苦慮しているのが現状である。TRDとなる原因は不明なままであるが、最近、炎症がTRDとなることに大きく関与していることが明らかにされてきている。TRDに対処していく上では炎症とうつ病との関連性を十分に理解しておく必要があると言えよう。  今回は炎症とうつ病、特に、治療抵抗性うつ病と炎症との関連性について触れてみたい。下の(A)の論文を中心に話を進めていくが、他の3つのレビュー(B~D)の内容などを加えて内容を補強してある。な

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    yuiseki
    yuiseki 2014/06/09
    これこれ
  • 悪夢と通常夢と明晰夢(その1 悪夢への対処方法) : 場末P科病院の精神科医のblog

    3月29 悪夢と通常夢と明晰夢(その1 悪夢への対処方法) カテゴリ:悪夢と明晰夢睡眠障害 時々、無理なことを訴える患者さんがいる。悪夢を見ないようにしてほしいと言うのである。悪夢を消すような薬を出してほしいと言うのであるが、そのような薬は開発されていないと説明している。自分の睡眠中の夢ですら自由にならないのに、ましてや、他者の夢まで自由に操作して消したりすることなどはできないように思える。しかし、悪夢は人にとっては相当に苦痛な症状だと思われる。頻回に悪夢にうなされるのであれば何らかの対処が必要になろう。  今回は悪夢の対処方法について触れてみたい。  英語版ウィキペディア「悪夢 nightmare」によれば、夢の最中に感情が誘発されるのだが、ネガティブな感情を体験する時間は夢の総時間の約75%にもなるらしい。夢の中ではポジティブな感情よりもネガティブな感情を体験し易いのである。人の夢は

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    yuiseki
    yuiseki 2014/03/29
  • 精神疾患を克服するために運動せよ その2 : 場末P科病院の精神科医のblog

    3月21 精神疾患を克服するために運動せよ その2 カテゴリ:運動自己管理 (前回の続きである) 双極性障害Bipolar disorder 双極性障害の患者は健常の対照者よりも中等度の有酸素エクササイズで速く消耗してしまうようだ(すなわち、元々、心肺機能が弱い。心肺機能が弱いことも双極性障害の病状に影響をしているのかもしれない。従って運動で心肺機能を鍛えておくことは双極性障害への抵抗力を高めることになる)。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17442401 定期的な有酸素運動の双極性障害への効果を調べた2つの研究がある。身体活動は双極性障害(BD)患者では十分に実施可能な運動であり、ストレス、うつ症状、不安症状を軽減することが示された。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17182104 しかし、引用された全ての研究が

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