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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (21)

  • 『ビニール・ジャンキーズ レコード・コレクターという奇妙な人生』/ブレット・ミラノ - 空中キャンプ

    村上春樹の新刊エッセイを読んでいたら、そのなかで『ビニール・ジャンキーズ』というが紹介されていた。アナログレコードの収集に取り憑かれた人たちを取材し、一冊にまとめたもので、ジャズレコード収集が趣味の村上には共感できるところが多かったようだ。村上の文章で興味を持ち、さっそく『ビニール・ジャンキーズ』を入手し読んでみたが、これがかなりおもしろく、あっという間に読了してしまった。ずいぶん重症の患者たちがずらっと並んでいる。コレクターの業の深さにため息をつきつつ、でもやっぱりたのしそうだよな、充実した人生だよな、と笑ってしまった。 このでは、ロックやソウルのレコード収集家が中心的に描写されるが、最初に取り上げられるレコードはクラシックだ。音楽マニアたちが集まり、プロコティエフの『スキタイ組曲』というレコードを聴く場面からこのは始まる。『スキタイ組曲』は1957年に発売された世界初のステレオレ

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    yuiseki 2011/08/24
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100210

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    yuiseki 2010/05/31
  • やりたかったことの五分の一くらい - 空中キャンプ

    先日ベランダに立って洗濯物を干しながら熟考したのだが、やはりこうしてこの世に生を受けた以上、われわれはできるだけ充実した生活をするべきである。なぜなら誰しもいつかは寿命が尽き、やがて不帰の客となるわけだから、やりたいことをたくさんやって、なるべく後悔のないように工夫することが肝要である。 具体的には、お金持ちになる、たのしく遊ぶ、仕事で成功する、異性にもてる、などの方向性が考えられるが、むろんそれだけとは限らず、しあわせのかたちは数多くあるといえるだろう。たとえば、南海でカジキマグロを釣る、東映のやくざ映画に出演する、漬物屋を経営する、男根崇拝の思想を歌にして発表する、娘が女たらしにひっかかる、その後くだんの女たらしが逮捕されてちょっとだけ溜飲を下げる、といったかたちで、人は自由闊達に生きることができるし、さまざまな充実感を得ることができる。 充実した人生。そんなことをつらつらと考えていた

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    yuiseki 2008/09/19
  • 2008-06-19 - 空中キャンプ

    ひさしぶりにスーツを買うことにした。ふだんは月に一、二度くらいしか着ないスーツだが、もうすぐ社外のわりと大事なお客さんに会う予定があることと、手持ちのスーツがどれもくたびれてきたこともあって、そろそろ背広でも新調しようかしら僕、という気持ちになっていた。 スーツそのものに思い入れはない。基的には、べつになんでもいいのである。3万円均一でスーツを売っている店があって、ちょっとよさげなので、そこで買うことにした。値段も手ごろだし、ちょうどいいのではないか。そう考えて店へ向かう。キュートな女性店員が、ファルセットをきかせた声で「いらっしゃいませ」とわたしを歓迎する。とりあえずはいくつか試着してみることにした。店員の女性は、これは裾がブーツカットでかっこいいとか(スラックスの裾がブーツカットってどういうあれだ)、こっちはステッチが凝っていて洒落ているとか、いろいろと商品を勧めてくるが、なんだかぴ

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    yuiseki 2008/06/20
  • 「自分探しが止まらない」/速水健朗

    速水健朗新刊(ソフトバンク新書)。おもしろかったです! 前作「タイアップの歌謡史」はやや趣味性のつよい題材でしたが、今回はより一般的、また誰もが興味を示すであろう旬な話題を取り上げ、タイトルや帯の扇情的な雰囲気もやる気じゅうぶん。全体が、売れる感に満ちあふれている。来たな、とおもった。中田英寿の引退メッセージを引用したイントロダクションから、「自分探し」というキーワードが様々に展開していく構成にもぐっときました。 とはいえ、わたしはこのを気軽に読める気がしなかった。「いるよねー、探しちゃってる人」と、のんびり嘲笑できる立場にはないような感じがしたのである。たとえばポジティブ・シンキングについて。速水はポジティブ・シンキングと自己啓発の関係性を指摘しているが、このあたりはちょっとどきっとしました。なぜならわたしは、ふだんから「良いことしか言わない」「ポジティブなこと以外はいっさい口にしな

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    yuiseki 2008/02/17
  • 「ラカンはこう読め!」/スラヴォイ・ジジェク - 空中キャンプ

    スラヴォイ・ジジェク新刊。ついに、ジジェクが語る "How to read Lacan" である。結婚式には白のスーツでキメる男、ジジェク。あのスロヴェニアのおっさんが、ラカンを直接的に解説してくれるのだと期待が高まった。ラカンはきわめて難解だといわれている。巻末には、ジジェク人による読書リストがついているが、ラカンの主著「エクリ」について、「いきなりエクリを読みはじめても、何ひとつ理解できないだろうから」とはっきり書いている。何ひとつって、ねえ。なかなか踏み出しにくいラカン思想の第一歩をどうにか、という気持ちで、このを手に取りました。 とはいえこのは、「象徴界ってこういう意味ですよ」「対象aとはこれを指します」といったたぐいの解説ではまったくない*1。むしろ、ラカンを使えばどのように現実を解釈できるのか、ラカンを通じて見る世界はどのようなものなのか、ラカン思想の具体的な使用法とで

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    yuiseki 2008/02/10
  • ささやかな旅 - 空中キャンプ

    サユミちゃんと知りあったのは、たぶん八年くらい前で、その当時はよく遊んでいたが、今ではもう連絡を取っていない。サユミちゃんは以前に、とあるものまねタレントとつきあっていた。僕もその人を何度かテレビで見たことがある。なんだか派手っぽい人だなとおもったことを覚えている。僕が知りあったときには、すでに彼女とそのものまねタレントとの関係は終わっていたのだが、飲んで気分がよくなったときなんかに、かつて恋人だったその相手について話してくれることがあった。 ものまねタレントには二種類ある。たくさんのものまねレパートリーを次から次へと披露していくタイプと、ある特定のひとりのものまねだけをひたすらやるタイプだ。サユミちゃんのつきあっていた相手は後者で、服装や髪型もすべて人と同じにして、人の名前をもじった芸名を使って活動していた。今ではどうしているのかわからない。僕はテレビをまったく見なくなってしまったし

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    yuiseki 2008/02/10
  • 空中キャンプ 脱力しながら

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    yuiseki 2007/02/07
  • 空中キャンプ - ひとり占めはんたい

    僕の娘は七歳だ。彼女は、性格的に僕にはあまり似なかった。活発だし、頭も切れる。いずれは総理大臣になるのだという。それが彼女のおおきな目標である。七歳の僕は、そんな目標を持ったことがなかった。そもそも、七歳の僕に、なにかしらの目標などあったのだろうか。彼女はとてもキュートな子だが、総理大臣にはいささか不向きなのではないかと僕はおもう。 「びんぼうな人をなくすの」と、彼女はいった。「それが、きみの公約なんだね」と、僕は答えた。わるくない公約だとおもった。なによりわかりやすいところがいい。「ねえ、コウヤクってなに?」と、彼女は注意ぶかく訊いた。「約束だね。『わたしが総理大臣になったら、こうします』」「そうよ。あたしのコウヤク。びんぼうはんたい」。そして彼女はコーンスープをひとくち啜った。僕たちは、朝のテーブルに向かい合ってすわっていた。 「すごくお金もちの人がいて、とってもびんぼうな人もいる。

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    yuiseki 2007/01/26
  • ■日本人にとって、電車は部屋だ - 空中キャンプ

    いぜん、イギリス人の女の子と話していたときに、とても興味ぶかくおもったのは、日人が電車で寝るのは信じられないといっていたことだ。平気なのかしら、電車で寝るなんて。ふしぎそうな顔つきをして、そう訊いてくる彼女に、わたしはどう答えていいのかよくわからなかった。 「それは、なにかを盗まれたり、乱暴されたりするかもしれないっていうこと?」「それもあるけど、うーん、若い女の子とかがすやすや寝ているのを見ると、なんだかこわいの。ねえ、ここ電車だよ? っていいたくなる」「イギリス人は、電車で寝たりしないんだね」「しない。そんな人いないよ」。彼女のいわんとしていることは、なんとなくわかる。これはおそらく、電車に対するイメージのちがいなのだ。日人は、電車を、部屋のようなイメージでとらえているのかも知れないと、そのときかんがえた。そうでなかったら、寝ないんじゃないかなあ。 イギリス人にとっての電車とは、見

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    yuiseki 2007/01/06
  • 空中キャンプ - ほんとうにおもしろい人とは

    ほんとうにおもしろい人とは、どういう人か。つい最近だが、何人かで話していて、そんな話題になった。それはたとえば、会話のセンスや、頭の回転のはやさ、といったことなのかも知れないが、それ以上にたいせつなことがあるのではないかと、わたしたちはかんがえていたのだ。その場にいあわせた者はみな共通して、「ずっとふざけっぱなしの人は、あんまりおもしろくない」という見解をもっていた。いくら会話のセンスがよくても、いつもふざけている人、基がふざけている人というのは、なんだかめりはりがなくて、おもしろさがいまひとつなのである。 「ではおもしろさとはタイミングか」と、べつの誰かがいった。たしかにそれはあるとおもった。いつもふざけている人にはタイミングが存在しない。おもしろい人は、ここぞという機会を狙ってくる。それ以外では、わりとふつうな顔をしていたりする。「なるほどそれはあるな」と、わたしもおもった。また、今

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    yuiseki 2006/12/08
  • 空中キャンプ - 未成年が、こっそりたばこを買う権利

    ずいぶん前になるが、「運転免許証をIDとして使用し、たばこを買う自動販売機」を試験的に導入した地域があるというニュースをきいたことがある。その自動販売機では、運転免許証を使わないと、たばこが買えないのだ。未成年の喫煙を防止するためだという。なんか、いやだなあとおもった。わたしは喫煙をしないため、基的には関係のないことなのだが、それでも、これが全国的にひろがるのはいやだとおもった。 この問題がやっかいなのは、では、この自動販売機を導入することで、なにが失われるのか、とかんがえると、それはたとえば、「未成年が、こっそりたばこを買う権利」ではないかということになりかねない点だ。そんなばかな権利はない、といわれれば、反論のしようがない。今、改札を携帯で通過できるシステムもひろがっている。駅の利用が個人認証化されているわけだが、もしわたしが、そうした流れに対して、「こうなんでも機械で管理されると、

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    yuiseki 2006/09/17
  • 空中キャンプ

    『ブリグズビー・ベア』 ストーリーは更新されなくてはならない 1981年3月30日、ワシントンDC。25歳の青年ジョン・ヒンクリーは、その年に大統領へ就任したばかりのロナルド・レーガン暗殺を試みた。ヒンクリーはかねてからジョディ・フォスターのストーカーであり、大統領の暗殺に成功すれば、彼女に認められると考えていたのだ。いったいどのような理由により、彼が「大統領を暗殺すれば、意中の女優が振り向く」と、何の脈絡もないふたつの事象を関連づけたのかはわからない。しかしヒンクリーはそのような奇矯なストーリーに沿って生きていたのであり、レーガン大統領暗殺未遂事件が私たちに独特の憐憫を呼び起こすのは、犯人がかかるみじめな物語のなかでしか生きられなかったことの空虚さゆえである。 私たちはみなストーリーに沿って生きている。人は何らかの物語のもとでしか生きていけないからこそ、誰もが内部にストーリーを持ち、日々

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    yuiseki 2006/07/11
  • 空中キャンプ - どうして人はあいさつをするんだろう

    わたしの会社にひとり、まったくあいさつをしない人がいる。今でこそ、わたしも慣れてしまったが、当初はやはり戸惑ったものだった。その人は、三十代前半の男性なのだが、その年齢で、とりあえずは社会にでてはたらいていて、なおかつ、ぜったいにあいさつをしないというのは、かなりパンクな選択であるとおもう。だって、ねえ。しかも彼がすごいのは、自分からあいさつをしないだけではなく、相手からあいさつをされても、決して返事をしないことである。つまり、あいさつ全般に、いっさい関わらないのだ。たとえ相手が社長であろうとも、はっきりと無視の態度を貫く。ちょっとおもしろいな、とおもった。こうなると、もはやひとつの主義主張であり、いわば非あいさつ主義とでもいうべき強固な姿勢が読み取れる。俺は、相手が誰であろうとも、平等に無視するぜ。そうしたアティテュード。 もちろん、あいさつを無視される、というのは、誰にとってもただごと

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    yuiseki 2006/06/30
  • 空中キャンプ もう背伸びしません

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    yuiseki 2006/06/26
    この文章は最高だ
  • 空中キャンプ 男女の性行為を禁止するべきだとおもう

    あらためて考えてみると、あの、男女の性行為ってやつは、かなりどうかしているのではないだろうか。あんなことを平気でおこなっている人たちが、世の中にたくさんいるなんて、わたしは頭がどうにかなりそうである。常識はずれにも、ほどがあるよ。ぜんたい的になんだい、あれは。まともなおとなのすることではない。 いったん落ち着いて、自分たちのやっていることを見つめなおしてみてほしい。まず、他人にはだかを見せている時点で、ふつうではないし、ましてや、自分の性器を露出する、獣のような声をだす、などにいたっては、あきれてものもいえない。いったいどういう了見なのだろうか。こんな愚かな行為を、たくさんのおとなたちが、日々おこなっていると、子どもたちが知ったらどうおもうのか。嘆かわしいかぎりである。子どもはふだん、とんぼを捕まえたり、川で石を投げたり、四つ葉のクローバーをさがしたりしているのである。素敵。そんな無垢な子

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    yuiseki 2006/05/13
  • 空中キャンプ - ぜいたくな娯楽

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    yuiseki 2006/04/22
  • 空中キャンプ - それはひみつ

    浮気をすると、かならず彼氏にばれてしまう」という女の子がいるのだが、その理由がとてもおもしろかった。うそが下手なわけでも、彼氏の監視がきびしいわけでもない。「どうしてもがまんできなくて、自分から言っちゃう」のである。お前はばかか。わたしはついわらってしまったのだが、よく考えてみると、これはわらえない事態なのではないかと感じたのである。 精神科医の春日武彦は、自著の中でこう述べている*1。「人は秘密を持つことで人間的な豊かさを得られる。清濁合わせ飲む度量が必要なのである」。これはいい視点である。わたしがわらえないと感じるのは、浮気をすることなどではもちろんない。浮気をした自分自身を、心のどこかにこっそりとしまって、なにごともなかったようにふるまうことができないという、だらしなさのようなものだ。春日はこう続ける。「秘密を抱きつづけるには、精神的なエネルギーが必要となる。そのエネルギーが日常を

  • 空中キャンプ - 見ちゃった

    世の中には、知らない方がよかったことがあるね。なんかわたしは今そんな気持ちです。ついうっかり、見たくないものを見てしまったとき、人はきっとこう呟くのだ。 「見ちゃった」 昨年の六月に、スポーツクラブに入会してから、わたしの生活は一変した。それまでの、怠惰で不摂生な暮らしがまるでうそのように、わたしは運動に夢中になった。からだを動かすことが、たのしくてしょうがない。そして、同じようにジムでからだを動かす人たちの、あかるく前向きなこと。みんなで汗をかく。誰もが、気持ちよさそうな表情で、ダンスをしたり、ストレッチをしたり、水泳をしたりする。従業員や、インストラクターの人たちも、みな親切である。そしてなにより、わたしのいちばん苦手な、意味のない不機嫌や、他人の足を引っ張ろうとする不寛容や、暗く淀んだ場の雰囲気などがない。ポジティブな人たちがたのしそうにからだを動かす場所。そこがとにかくよかった。

    yuiseki
    yuiseki 2006/03/10
  • 空中キャンプ - 女性の会話には正解があるらしい

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