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ブックマーク / newswitch.jp (53)

  • アルツハイマー病薬「レカネマブ」、年内にも患者に投与開始…治療薬研究の今後は ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    は高齢化社会に伴って認知症患者が増加している。最近では日米が共同開発した認知症薬「レカネマブ」が米国で承認され、日でも年内に患者への投与が始まろうとしている。日企業の成果が世界で認められる一方、より効果の高い治療薬の開発が求められている。そのために認知症の詳細な発症機構を解明し、従来の治療薬とは違ったアプローチで認知症を改善する方法を見いだすことが必要とされている。(飯田真美子) 認知症の中でもよく知られているアルツハイマー病は、「アミロイドβ」というたんぱく質が主な原因の一つであり、これを標的とした治療薬がほとんどだ。アミロイドβは情報伝達の過程で作られる物質であり、単体では無毒だ。健常者の脳内にも存在し、不要であれば分解して体外に排出される。だが、何らかの刺激を受けると反応が起こり、重合体になった後に可溶性の線形構造「フィブリル」を形成して線維化する。特に重合体やフィブリルの毒

    アルツハイマー病薬「レカネマブ」、年内にも患者に投与開始…治療薬研究の今後は ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
    yuiseki
    yuiseki 2023/09/22
  • 「人工脳」実現へ、脳神経模したイオニクス素子で世界最高性能 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    物質・材料研究機構の土屋敬志主幹研究員と西岡大貴研修生、東京理科大学の樋口透准教授らは、脳神経を模したイオニクス素子を開発した。脳神経のようなスパイク状の電流が流れる。この素子で脳の短期記憶を模したリザバー計算を実行すると誤差を1ケタ減らして世界最高性能を達成した。低消費電力な人工知能(AI)機器の開発につながる。 リチウム固体電解質とダイヤモンドの界面を流れる電流を利用する。リチウム固体電解質でトランジスタを作り、時系列データを入力すると、界面にできる電気二重層によって複雑なスパイク電流が流れる。脳神経のスパイク形状に似た電流を再現できた。 リザバー計算をすると非線形変換処理で従来技術の15分の1から6分の1の誤差に抑えられた。この電気応答を調べると「カオスの縁」という秩序状態とカオス状態の境界状態にあると示唆された。カオスの縁は脳の情報処理が効率的である起源とされる。 カオスの縁を再現

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    yuiseki 2023/01/05
  • 三菱電機が世界初の開発、「宇宙空間で人工衛星アンテナ製造」を実現する樹脂の仕組み ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    三菱電機は、宇宙空間で3Dプリンターを使い人工衛星用アンテナを製造する技術を開発した。真空環境で太陽光により硬化する樹脂を世界で初めて開発した。衛星や打ち上げ用ロケットの大きさに制約を受けずに大口径、薄型、軽量のアンテナ反射鏡を宇宙空間で作って搭載できるようになる。 衛星搭載用の3Dプリンターも開発した。回転する軸の先端上に樹脂を押し出し、皿を回すようにして反射鏡を大きく成形していく。太陽光で樹脂を硬化させ、消費電力を抑える。3Dプリンターの部材やモーターは、反射鏡を作った後にアンテナの支柱や角度調整用モーターとして利用できる。 真空環境で試作した反射鏡のサイズは直径165ミリメートル。小型衛星に広く使われる3Uキューブサット(100ミリ×100ミリ×300ミリメートル)仕様の小型衛星での利用を想定した。試作した反射鏡の性能を示す利得はKu帯(13・5ギガヘルツ、ギガは10億)で23・5デ

    三菱電機が世界初の開発、「宇宙空間で人工衛星アンテナ製造」を実現する樹脂の仕組み ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
  • 次世代電池「リチウム空気」、世界初の充放電サイクルに成功したNIMSの研究力 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    高エネルギー密度な蓄電池は、軽量性が重視されるドローンやIoT(モノのインターネット)機器、さらには電気自動車や家庭用蓄電システムなど、幅広い分野で高いニーズがある。現在利用されているリチウムイオン電池は、負極がグラファイト、正極がリチウムイオン含有金属酸化物と、いずれも重い材料を搭載しており、エネルギー密度の上限は1キログラム当たり300ワット時程度と予測される。このため、よりエネルギー密度の高い次世代蓄電池の早期実用化が強く求められている。 リチウム空気電池は、負極が金属リチウムという軽い素材で、正極には大気中の酸素を使うため、電池の中に入っている必要さえない。このため、現行のリチウムイオン電池の2倍以上のエネルギー密度が期待できる。一方でこれまでのリチウム空気電池は、バインダーや電解液など電池反応に直接関与しない材料が電池重量の多くの割合を占めており、充放電時の電気量も少なかった。こ

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  • 自衛隊のドローン配備一気に200機へ。災害救助や軍用にも ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    防衛省は自衛隊での飛行ロボット(ドローン)の配備機数を、2020年度末までに計201機体制に引き上げる。18年度末時点では同13機で、それとの比較だと約15倍の大幅増になる。ドローンはヘリコプターや航空機より低い高度を飛べるため上空から鮮明な画像データを撮影でき、行方不明者捜索や災害救助活動などに有効活用できる。小型で静音なので敵軍やゲリラに察知されにくい利点もあり、戦力化を急ぐ。 自衛隊のドローン配備数が大幅に増えたのは、18年9月に発生した北海道胆振東部地震がきっかけ。人が入り込めない山奥や広いエリアを短時間で撮影できる利点が評価され「導入機運が高まった」(同省)。最近では17日の北海道函館市恵山での行方不明者捜索、20日の宮城県加美町船形山における行方不明者捜索に、陸上自衛隊のドローンが相次いで出動している。 19年の防衛白書は、人員が進入困難な箇所や方向から地上部隊がドローンを飛ば

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    yuiseki
    yuiseki 2022/03/24
  • 東大とNTTが開発挑む「10億量子ビットの光量子コンピューター」、パラダイムシフトなるか ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    電子計算機の次は光コンピューターと言われてはや数十年。電子計算機の代替は進まなかったが、量子もつれを利用した光量子コンピューターとして再び投資を集めている。日では東京大学とNTTが10億量子ビット規模の汎用光量子コンピューターを開発する。内閣府の大型支援事業「ムーンショット型研究開発事業」で2030年に量子誤り訂正の実現を目指す。(小寺貴之) 「NISQを開発して誰が買うのか。量子コンピューターは金を集めるためのワードになってしまった」と古沢明東大教授は嘆く。NISQは誤り耐性のない中規模の量子コンピューターだ。計算結果に誤りが含まれるため、複数の量子ビットで多数決をして正しい結果を得る。そのため実用的な計算機には100万量子ビット必要とされる。現在実現しているのは約100量子ビット。実用化まで数十年かかるとされるゆえんだ。 海外VB追う 古沢教授は「質的に膨大な量子ビットを用意できな

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  • 難解な物理・数学を解説。博士課程からYouTuberへの転身を聞く ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    登録者84万人、物理や数学などを解説する教育系ユーチューバーとして有名なたくみさん。「予備校のノリで学ぶ『大学の数学・物理』」(ヨビノリ)のチャンネルで活動している。研究者を目指した博士課程からの転身のきっかけと、今後について聞いた。 ―YouTubeを始めた経緯を教えてください。 「元々は物理学の研究者になるため、博士課程に進んだ。その際、運良く日学術振興会の特別研究員に採用された。ただ、副業が禁止で、それまで続けていた予備校のアルバイトをやめざるを得なかった。そこで、経験を生かした大学生向けの授業動画を作り始めた。研究者になれるのかという不安もあったので、保険の意味合いもあった」 ー大学生向けにした理由は。 「理系の授業は分かりやすくなく、自分自身も苦労したからだ。大学受験の際には塾や予備校など分かりやすい授業があるのに、大学に入った途端、なくなってしまう。授業が難しいと大学をやめて

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  • JAXAが世界最小サイズの開発に成功、人工衛星に必須の姿勢制御装置とは? ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    人工衛星の姿勢制御に必要なジャイロやホイール、姿勢制御用計算機などを一つの小さなパッケージに詰め込んだ装置である。2014年から開発をスタートし、まず10センチメートル角の3軸モジュールの開発に成功した。頂点で自立倒立できる制御性能を有する3軸モジュールとしては世界最小のサイズであった。 さらに国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日実験棟内で使用する「JEM自律移動型船内カメラ Int―Ball(イントボール)」に搭載するため、さらなる小型化を図り、一辺31ミリメートル、重量50グラムにまで小型化することに成功した。 このサイズを目指すには、10センチメートル角と比べて体積を30分の1以上にまで小型化しなければならず、電子基板回路の搭載スペースが内部に全くなくなってしまう。構体自体を回路基板とするなど、組み立て性も考慮しながら電気・機構の設計解を追求した。結果、内部は部品と配線が複雑

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    yuiseki 2021/11/15
  • 山岳トンネル工事の全工種を自動化へ、鹿島が実坑道で試験開始 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    鹿島は、次世代建設生産システム「クワッドアクセル」の適用拡大に向けて、神岡試験坑道(岐阜県飛騨市)で山岳トンネル工事の全工種の自動化を目指す自動化施工システム「同・フォー・トンネル」の実規模施工試験を開始した。実施工による2年間の実証試験で、同社がこれまで開発した自動化技術を実工事現場と同等の環境で実証し、有効性、実用性を確認する。 神岡鉱業(同)が所有する試験坑道で、自動穿孔(せんこう)から発破掘削までの作業工程を実施し、効率的な穿孔・発破技術を実証する業界初の試みとなる。各作業工程の自動化を進め、順次実工事に導入する予定。また実証試験によりデータに基づく最適化施工を実現できる人材の育成など自動化施工体制の構築も進める。 神岡試験坑道の工事はトンネル掘削が321・3メートル、掘削断面積がアプローチ部43・9平方メートル、自動化施工試験部が73・5平方メートル。 同社は2018年11月、静

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  • NECの虹彩認証技術が世界1位に、本人認証のエラー率はわずか0.41% ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    NECは、米国標準研究所(NIST)が実施している直近の虹彩認証技術のベンチマークテスト(IREX10)において、2018年に続き世界第1位を獲得したと発表した。登録人数50万人に対する「1:N認証」で、人認証のエラー率が0.41%(両目の場合)との性能評価を得た。 NISTは、虹彩認証技術の照合精度を評価する大規模なテストを09年から継続的に実施している。 参加団体の認証技術をブラインドテストで客観的かつ、正確に評価しているため、評価結果は世界的に国家レベルで信頼されている。 この技術は、立ち止まることなく歩きながら行うウォークスルー型の虹彩認証(写真)や、世界最高精度の顔認証技術との組み合わせによって、数千万人以上の多人数の人確認に利用できるマルチモーダル生体認証の展開を予定している。 NECの顔と虹彩によるマルチモーダル生体認証は、マスクや帽子などを着用したままでも高い精度を実現

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  • ソニーとTSMCの半導体合弁事業にデンソー参加へ、トヨタ系の供給先確保 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    ソニーグループと台湾積体電路製造(TSMC)による半導体合弁事業計画について、デンソーが参加する方向で最終調整に入った。トヨタ自動車グループという一大供給先を確保することにより、経済産業省主導で熊県に先端工場をつくる日台企業連合の大枠が固まった。半導体不足に苦しむ自動車産業の協力を取り付けて、経済安全保障にもつながるサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化の国家プロジェクトが実現に近づく。 ソニーGなどは2021年内にも半導体製造の合弁会社を設立する見通し。出資比率はTSMCが約50%で、ソニーGやデンソーなど日勢で残りを分担するとみられる。工場建設などにかかる総投資額は約1兆円で、その大半は政府が補助金などにより支援する方向で検討する。 新工場は24年までの稼働開始を目指す。イメージセンサーや自動車に使う回路線幅10ナノ―20ナノメートル(ナノは10億分の1)台のロジック半導体

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  • データ駆動型研究を推進。情報学研が6年かけて整備する「次世代学術研究プラットフォーム」の全貌 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    国立情報学研究所が2022―27年度に整備する「次世代学術研究プラットフォーム」の内容が明らかになった。大学・国立研究開発法人の研究データ管理・活用の基盤整備と超高速ネットワーク基盤「SINET(サイネット)5」の後継を連動させる。理論、実験、シミュレーションに続く「データ駆動型研究」が進み、生命科学や防災、IoT(モノのインターネット)などの研究力強化と融合が期待できる。想定経費は6年間で約750億円。文部科学省が精査し、22年度予算の概算要求に盛り込む。 情報学研のSINET5は、スーパーコンピューターや大型放射光施設などのビッグデータ(大量データ)、国立大学病院の医療情報、研究論文データベース(DB)などを扱う学術情報基盤で、約1000の大学・研究機関と共同研究先の企業が利用する。 大学共同利用機関法人の21年度からの中期目標期間に合わせ、後継となるSINET6のネットワーク基盤と、

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  • コロナで相次ぐ「ラーメン店」倒産。老舗フランチャイズが100年の歴史に幕 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    中華麺の製造販売を主体に、ラーメン店「元祖札幌や」のフランチャイズ展開を行っていた南京軒品(東京都品川区)が、4月21日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。 同社は1914年に創業。中華麺の製造販売を主体に野菜や肉、調味料などの材や、中華鍋や寸胴などの厨房(ちゅうぼう)機器の販売、さらには「元祖札幌や」のフランチャイズ部の業務を手がけていた。中華麺については、アイテムだけでも300種類を超えるなど100年以上におよび積み重ねた独自の製麺技術により、東京、神奈川、埼玉の中華料理店やラーメン店など約2000軒の得意先を有し、2010年2月期には売上高約12億4800万円を計上していた。 しかし、同社の得意先の9割以上が個人営業のラーメン店や中華料理店だったため、閉店や廃業・倒産が相次いでいたことなどにより、17年2月期から19年2月期まで3期連続で減収となり、当期損益も3期連続で赤字

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  • 自律的に学習・行動するロボット誕生へ、「脳型コンピューター」研究の現在地 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    デジタル変革(DX)化が進む中、膨大なデータを処理し判断する人工知能(AI)の役割が重要さを増している。物質・材料研究機構の研究グループは、脳の機能をまねた素子や回路で動く「脳型コンピューター」の要素技術を研究し、従来はソフトウエアに使われているAIをハードウエアであるデバイスに組み込もうとする。2050年には新機構を搭載し、自律的に学習や行動ができるロボットが登場するかもしれない。(冨井哲雄) 【演算処理不要】 深層学習に使うAIはプログラムに沿って数値計算の値を得るなどソフトでの活用を重視しており、ハードはデータの保存などAIには直接関与しない。 AIの利用には膨大なデータの計算が必要だが、AIの性能向上とともにその計算量も増え、将来はコンピューターの性能が限界を迎えると考えられている。そこで量子コンピューターの実現が期待されているが、現状では小型化や室温動作などに課題がある。 一方、

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  • 経産省主導でソニーと台湾TSMCが半導体合弁構想、熊本に1兆円新工場 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    経済産業省主導によりソニーグループと半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が合弁で熊県に半導体工場を建設する構想が浮上した。経産省が仲介役となり、関係者の調整を進める。前工程中心で総投資額1兆円以上を見込む。ただ、誘致実現には欧米に見劣りする補助金など支援策の大幅拡充が不可欠。国を挙げた半導体サプライチェーン(供給網)再構築への気度が問われている。 構想では両社が2021年内にも半導体製造の合弁会社を設立する見通し。TSMCが主体となり、ソニーG以外の日企業も一部出資して枠組みに参加する可能性がある。 前工程工場は熊県・菊陽町にあるソニーGのイメージセンサー工場近くに建てる計画。自動車や産業機械、家電などに使う回路線幅20ナノ―40ナノメートル(ナノは10億分の1)のミドルエンド品を生産するもよう。線幅40ナノメートル未満の工場は国内で初めてとなる

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  • 電子機器製造工場が検品AI活用で陥った「精度9割」の落とし穴 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    電子機器製造工場からの相談 ほんの数年前を思い返すと、クライアントといえばAIを初めて導入する企業がほとんどだった。だが、ここ最近は、AIの導入を経験済みの企業からの相談も珍しくなくなった。これを裏返してわかりやすく言うと、「失敗した案件」の相談だ。これは、ある電子機器の製造工場のデジタル化推進担当者からの支援要請だった。 「1年ほど前にAIを搭載した検品システムを導入しました。ですが、思ったように精度がでないのです。うちの工場では1日に1万個の製品を製造し、このうち10個ほどの不良品が発生します。AIが完璧でないことは理解しています。なので、100%の不良品検出はできないとしても、せめて9割の目標を達成したいと考えています。当初発注したAIベンダーにもそうお願いしていたのですが・・、やはり9割という精度は現実的ではないのでしょうか。」 確かに9割の精度目標というのは、技術的にはかなり難し

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  • NTTが「ジョブ型」人事制度を全管理職に拡大。新規事業の加速なるか ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    NTTは10月から、主要グループ会社の大半において、職務の内容に応じて従業員を処遇する「ジョブ型」の人事制度の適用範囲を全管理職に拡大する。従来は部長級以上を対象としていたが、課長級以上に改める。終身雇用は維持しつつも、外部環境の変化や社員の実力に応じ、柔軟に登用や降格といった人事を行う。NTTは新規事業の加速や海外売上高の拡大が課題。人事制度の改定がこうした課題解決に寄与するかが焦点となる。 NTTは自社および、NTT東日やNTTドコモといった主要子会社の大半で、2020年7月から部長級以上にジョブ型人事制度を導入した。大きな混乱もなく定着しつつあると判断し、21年10月以降、対象を管理職全体へ広げる。 会社ごとに若干の差異はあるが、主要子会社では管理職における部長級以上の割合は4分の1程度。残りの約4分の3を占める課長級が、新たにジョブ型の適用対象となる。 ジョブ型は「ポストに給料を

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  • “非富裕層”が進学断念の要因は「親が子どもに望む学歴の低さ」。新社会人が問う格差問題の解決策 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    「フレッシャーズ産業論文コンクール」(日刊工業新聞社主催、経済産業省・日商工会議所など後援)は、次世代の産業界を担う人材の育成を目的に、1978年に創設された新社会人対象の論文コンテストです。第43回(20年度)のテーマは、「あすの社会、あすの企業、あすの私を考える」で、I部(大手企業)とII部(中堅・中小企業)併せて計94社・759編の応募がありました。今回、多くの応募の中からⅠ部第一席、経済産業大臣賞を受賞した、富士通九州システムズ(福岡市博多区)吉村純弥さんの論文「非富裕層が進学を諦めない社会を目指して」を紹介します。社会的な格差が深刻化しつつある中、新社会人はどのような解決策を示したのでしょうか。 私の家庭は母子家庭。奨学金で大学へ進学 私の家庭は母子家庭で、昔から決して裕福ではなかった。いわゆる母子寮で生活していた私は、同じ母子家庭の幼なじみが多くいた。彼らは全員大学へ進学して

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  • 小池都知事インタビュー。「脱ガソリン化」どうやって実現していきますか? ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    水素活用、五輪でアピール 東京都の小池百合子知事は22日、インタビューに応じ、脱ガソリン化について電気自動車(EV)など「ZEV(ゼロエミッション車)」への税優遇など普及支援を加速する考えを示した。新型コロナウイルス感染症対策は、2021年1月11日までモニタリング指標を見ながら対策に注力すると強調した。 ―30年までに都内で販売する全ての新車自動車の「脱ガソリン化」を打ち出しました。実現の方策は。 「ZEVの購入費や充電設備の導入費の補助を都として実施しており、21年度予算の知事査定の中でしっかり判断する。ZEVには都税の優遇措置もあるが、国の制度と併せて加速していきたい。自動車メーカーに対しては、さらなる技術開発や普及の協力をお願いしていく。特に水素については力を入れ、東京五輪・パラリンピックで水素活用を世界にアピールする」 ―新型コロナの感染拡大が進んでいます。 「現在の厳しい状況を

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    yuiseki
    yuiseki 2020/12/24
  • 「1兆円企業になれる」…新製法プリント基板を量産するスタートアップの実力 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    「電子回路の世界需要は拡大している。イノベーションさえ起こせれば、自然と1兆円企業になれる」―。エレファンテック(東京都中央区)の清水信哉社長は中国・鵬鼎控股の時価総額1000億元(約1兆5000億円)突破を引き合いに、プリント基板製造のポテンシャルを説明する。(取材・小寺貴之) エレファンテックはアディティブ・マニュファクチャリング(AM、付加製造)で電子回路を作るスタートアップだ。従来技術は配線を残すように銅箔を溶かして回路を作る。対して同社は線をひくように銅の厚膜を形成して回路を作る。配線のみを付け足す新手法は、配線以外を取り除く従来法に比べて、廃液などを13分の1に抑えられる。環境面に加え、コスト面でも優位性がある。杉雅明副社長は「見積もりでは顧客の既存施設の3割減のコストを提案している」という。インクジェット技術と無電解メッキ技術を組み合わせて実現した。 大市場求めて 同社は2

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