ChatGPTなどの対話型AIが話題になっている。その出力は人が活用できる程度に洗練されており、対話というインタフェースも相まって様々な分野で活用されている。 対話型AIにたいしてまことしやかに言われていることが、「頭の良い人でないと使えない」という問題だ。具体的には、問いを立てる能力、明確に指示をする能力などが求められる。そして、そのような能力に欠けている人間は対話型AIをうまく使いこなせないという格差が生まれるという筋書きだ。確かに、これらの能力を研究者として鍛えてきた私は、対話型AIに指示をする際はそのようにする。 しかし、この考えには情報技術が普及して以来何度も直面した問題がある。パソコン登場以降のコンピュータの歴史は、人を支援する技術としてのコンピュータの歴史でもある。しかし、多くの場合、頭の良い人やできる人ばかりを支援してきたように思う。例えばソーシャルメディアは、文章などをア