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ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (35)

  • 書評 「無限の始まり」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    無限の始まり : ひとはなぜ限りない可能性をもつのか 作者:デイヴィッド・ドイッチュ発売日: 2013/10/29メディア: 単行 書は量子計算・量子コンピュータの概念を世界に提示したことで知られる物理学者デイヴィッド・ドイチュによるヒトの文化を含めた世界の成り立ちを語る独創的なだ.ピンカーが「21世紀の啓蒙」において引用していることもあって気になっており,しばらく電子化されるのを待っていたのだがどうもなりそうもなく,物理で手にした一冊になる.「無限の始まり」という題名は良い説明をキーとするヒトの科学的文化的活動は一度始まってしまえば無限に広がる可能性があることを示している.原題は「The Beginning of Infinity」. 第1章 説明のリーチ まず科学理論とはどういうものかが解説される.それは何かから導き出されるものではなく,観察から大胆に推量されるものだ.ではどの

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  • 書評 「広がる! 進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    広がる! 進化心理学 朝倉書店Amazon 進化心理学は基的にヒトの行動や心理を進化的な視点から理解しようとする試みであり,極めて学際的な営みになる.書はそのような進化心理学の周辺分野の専門家たち(その多くは同時に進化心理学者でもある)による進化心理学が周辺分野に与えてきた影響,あるいはその親和性を解説する一冊になる.編者は小田亮と大坪庸介. 冒頭の「まえがき」は「なぜ書店の『心理学』の棚には『進化心理学』というコーナーがないのか」という面白い掴みから始まっている.基的に新しい分野でまだ認知度がなく,そういう書名のが少ないからだと思われるが,ここでは,進化心理学は他の○○心理学と異なり,○○にあたる内容を研究するのではなく,進化はその視座を表しているからだと説明されている.つまり進化心理学は認知科学,社会心理学,発達心理学のような内容による区分に横串を通すような分野であり,そのよう

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  • 書評 「進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化心理学 (放送大学教材) 作者:大坪 庸介放送大学教育振興会Amazon 書は進化心理学者大坪庸介の手になる進化心理学の教科書だ.今2023年度から放送大学で「進化心理学」が開講され,その教材として出版されたものだ.放送大学なら(BS視聴環境があれば)誰でも視聴でき,このようにテキストも出版されているので,初学者にとってはとてもうれしい学習環境になったというべきだろう. 冒頭の「まえがき」でいきなり,「進化心理学について学びすぎないようにしてください」とあって驚かされるが,教科書に書いてあることを鵜呑みにするのではなく自分で考えることによって理解が深まるのだという趣旨のようだ.そして進化心理学は「進化・適応」という大原則から統一的な理解が得られるという面白さがあること,進化的な説明が現代の倫理観とかけ離れたものであることが多く,誤謬のリスクがある反面,価値中立的に事実を評価することに

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  • 書評 「暴力と紛争の“集団心理”」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    暴力と紛争の“集団心理” 作者:縄田健悟ちとせプレスAmazon 書は社会心理学者縄田健悟によるヒトの暴力についての社会心理学的知見,特に集団モードで生じる暴力についての知見を丁寧にまとめたになる.私としてはヒトの暴力についての進化心理学的な取り組み(そのような行動傾向はどのように進化したのか,どのような適応的機能があるのか,あるいはないのか)についてはいろいろ読んできたものの,社会心理学的な取り組み(そのような行動はどのような状況で生じるのか)についてはその時々に断片的な知識を読んできただけであり,一度きちんとまとめて読もうと思って手に取った一冊になる. 序章 暴力と紛争の“集団心理” 書ではヒトの性としての「集団心理」を取り扱う旨が最初に宣言される.ここでは進化心理的な側面も含めて「集団心理」について整理されている.また社会心理学は基的に「ヒトの行動は状況次第だ」と考える学問

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  • 訳書情報 「親切の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか 作者:マイケル・E・マカローみすず書房Amazon 以前私が書評した「The Kindness of Strangers」が「親切の人類史」という邦題で12月に邦訳出版されるようだ.書は実験心理学者であるマイケル・マカローによるヒトの見知らぬ他人に対する利他性がどのように説明されるのかを扱ったものだ.前半は進化的な視点から包括適応度理論(血縁淘汰),マルチレベル淘汰,直接互恵,(社会淘汰を含む)間接互恵からどこまで説明できるのかを扱い,後半では共感のサークルの拡大が理性の役割とともに歴史的に語られている. 前半部分は非常に簡潔かつ明晰な良いまとめになっている.特に現在筋悪のマルチレベル淘汰論者が偏狭な利他主義仮説をもてはやしていることに対して,そもそもマルチレベル淘汰と包括適応度理論(血縁淘汰)は数理的に等価であり,マルチレベル淘汰で

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  • 書評 「ストーリーが世界を滅ぼす」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する 作者:ジョナサン・ゴットシャル東洋経済新報社Amazon 書は進化的視点から文学を論じる著書を持つ英文学者であるジョナサン・ゴットシャルによる,物語*1がヒトの認知にとってどのような意味を持ち,それが現在の世界にどういう影響を与えているかを論じただ.あるいは「物語の闇の力」についてのといってもよいだろう.原題は「The Story Paradox: How Our Love of Storytelling Builds Societies and Tears them Down」 序章 物語の語り手を絶対に信用するな 序章では書の大きなテーマが語られている.ヒトが会話するのは,それは相手を「なびかせる」ためだ.それは他人の心に影響を与えることであり,普通には説得で,時には操作ということになる.そして著者は「物語」こそが「なびかせ

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  • 訳書情報 「ヒトは〈家畜化〉して進化した:私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか 」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    ヒトは〈家畜化〉して進化した―私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか 作者:ブライアン・ヘア,ヴァネッサ・ウッズ白揚社Amazon 以前私が書評したブライアン・ヘアとヴァネッサ・ウッズ夫による「Survival of the Friendliest」が「ヒトは〈家畜化〉して進化した」という邦題で邦訳出版された. 書はヒトの同種個体に対する友好性そして協調性が「自己家畜化」を経由して進化したものであることを説得力を持って解説している好著だ.特にトマセロやランガムの元での経験談や家畜化について知るためにシベリアのベリァーエフのキツネ飼育実験場まで赴いた話などは臨場感たっぷりで楽しい.後半はそのような同種個体への友好性を持つヒトがなぜ戦争やジェノサイドを引き起こすのかについて,外集団に向けた敵意も自己家畜化の一側面であり,それが相手の<非ヒト化>を通じて強化されるという議論を行っている.

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  • 書評 「不平等の進化的起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    不平等の進化的起源: 性差と差別の進化ゲーム 作者:ケイリン・オコナー大月書店Amazon 書は,科学哲学者でありかつ進化ゲーム理論家であるケイリン・オコナーによる進化ゲームの均衡解として(差別的偏見がなかったとしても)社会的カテゴリー間の不平等をもたらす慣習や規範が創発しうることを丁寧に論じたである.社会的カテゴリーとしては特にジェンダーが大きく取り上げられているが,人種や宗教などにも当てはまる議論になっている.原題は「The Origins of Unfairness: Social Categories and Cultural Evolution」. 序章で各章の概略と文化進化の簡単な解説(文化進化の存在は書において進化ゲームを用いる基礎的な前提になる)をおいた後に論に入る. 第1部 社会的強調による不平等の進化 第1章 ジェンダー,協調問題,協調ゲーム 最初のジェンダーと

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  • 訳書情報 「なぜ心はこんなに脆いのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜ心はこんなに脆いのか: 不安や抑うつの進化心理学 作者:ランドルフ・M・ネシー草思社Amazon 以前私が書評したランドルフ・ネシーの「Good Reasons for Bad Feelings」が邦訳出版されるようだ.書は現役の精神科医であり,かつ「Why We Get Sick?(邦題:病気はなぜあるのか)」をかつてジョージ・ウィリアムズと共著したこともある進化的理論に理解のある著者によるさまざまな精神病理の進化的な解説を行うである. 冒頭第1部で通常の疾病と精神疾患の違いが強調され(通常の疾病は何らかの身体の機能的な問題が病気の質で,それが症状として目に見える形で現れると考えられるのに対して,精神疾患は脳の器質的異常を感知できないために症状からのみ記述される),なぜ心はこうも脆いのかが説明されるべき進化的な謎であるとする.邦題はこの書の中心的テーマを提示するものであり適切

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  • スティーヴン・ピンカーに対する除名請願運動とその顛末 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    7月の上旬にアメリカ言語学会(LSA)に対して「ピンカーの言動はLSAの代表にふさわしくなく,LSAの目的からいって受け入れられないものであり,『アカデミックフェロー』や『メディアエキスパート』の地位からの除名を求める」という請願が行われるという騒動が勃発している. このブログではピンカーの著書や講義について紹介してきており,またこのような「キャンセル・カルチャー」について,アメリカのアカデミアの雰囲気についてのルキアノフとハイトのやミラーの徳シグナリングの書評も載せてきたこともあり,私も無関心ではいられない.簡単に紹介しておこう. 請願 docs.google.com 7月1日付で600名弱の署名付き公開書簡がLSA宛てに出されている. これは言語学者のメンバーによる公開書簡であり,スティーヴン・ピンカーをLSAの『アカデミックフェロー』や『メディアエキスパート』の地位からの除名を

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  • 「The World Until Yesterday」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The World Until Yesterday: What Can We Learn from Traditional Societies? 作者: Jared Diamond出版社/メーカー: Allen Lane発売日: 2012/12/31メディア: ハードカバー クリック: 51回この商品を含むブログ (27件) を見る 書はジャレド・ダイアモンドによる一般向けの啓蒙書.ジャレド・ダイアモンドは1937年生まれで,現在75歳,もともとニューギニアの鳥類が専門の進化生態学者で,一般向けに広くヒトにかかる進化や歴史を書き始めたのは90年代以降になる.主な著作には「セックスはなぜ楽しいか」「人間はどこまでチンパンジーか?」「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」などがある. 最初の2冊はヒトを進化生態的に考えるとどう理解できるかという視点で書かれている.「セックスはなぜ楽しいか」はある意

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  • 2018-09-23

    医療現場の行動経済学―すれ違う医者と患者 作者: 大竹文雄,平井啓出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2018/07/27メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 書は行動経済学の知見を応用して医療現場をより良いものにしたいという思いで書かれただ.編者は大竹文雄と平井啓で,行動経済学者や医師などこの問題に取り組んでいる17人の分担執筆になっている.日では長らく医師がよかれと思う治療を(医学的知識がないと想定される)患者に施すパターナリズム型の医療が主流だったが,ここ20年ぐらいで,医師が患者に医療情報を提供して医師と患者の合意による治療にかかる意思決定を行うインフォームドコンセント方式に切り替わっている.そしてこのインフォームドコンセント方式は患者が確率を含む情報を理解して合理的に意思決定ができることが暗黙の前提になる.これはまさしく経済学は人間をホモ

    2018-09-23
  •  「異端の統計学ベイズ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    異端の統計学 ベイズ 作者: シャロン・バーチュマグレイン,Sharon Bertsch McGrayne,冨永星出版社/メーカー: 草思社発売日: 2013/10/23メディア: 単行この商品を含むブログ (28件) を見る 書はベイズ統計学の学説史にかかるで,アメリカのサイエンスライターの手によるもの.原題は「The Theory That Would Not Die: How Beyes’ Rule Cracked the Enigma Code, Hunted Down Russian Submarines, and Emerged Triumphant from Two Centuries of Controversy」ということでまるでスパイ小説のようなタイトルだが,邦題はより論争史を意識したものになっている.私としてはソーバーの「科学と証拠」を読んでベイズ主義と頻度主義

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    yuiseki 2018/06/10
  • 統計学を拓いた異才たち - shorebird 進化心理学中心の書評など

    統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀 作者: デイヴィッドサルツブルグ,David S. Salsburg,竹内惠行,熊谷悦生出版社/メーカー: 日経済新聞社発売日: 2006/03/20メディア: 単行購入: 28人 クリック: 366回この商品を含むブログ (90件) を見る 統計学の歴史とその中の人間模様を描いた.統計学者の手によるものでその筋ではかなり有名ならしい.統計の初心者向けのはいろいろあるが,その背後の考え方について解説されたものはそれほど多くはないと思われる.特にフィッシャー=ネイマンの論争は初学者には今ひとつよくわからない部分である.書はこの辺の裏の事情がよくわかる. 私自身は進化学や集団遺伝学から統計に興味を持っているので心情的にはフィッシャーびいきなのだが,書は個人的なつながりもありネイマンシンパのようである.確かに何とかより応用範囲

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    yuiseki 2018/06/10
  •  「系統体系学の世界」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    系統体系学の世界: 生物学の哲学とたどった道のり (けいそうブックス) 作者: 三中信宏出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2018/04/24メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る 書は三中信宏による「思考の体系学」に続く単系統群トリロジー第2弾に当たり,分類学(taxonomy)と系統学(phylogenetics)を含む体系学(systematics)とはどのような知的営みであるのかをそのパターン(学説史)とプロセス(科学哲学)から深く解説する一冊.当初上下2巻で構想されていたものが1巻に収まっており,内容が凝縮された濃厚なになっている. プロローグ プロローグは10年前にある雑誌に書いた三中の自分史から始まっている.宇治で少年期を過ごし昆虫や古銭を蒐集していた著者は高校大学時代になるとや論文を読みながらマルジナリアを書き込むことに喜びを見いだすようになる

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    yuiseki 2018/06/10
  •  「思考の体系学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    思考の体系学: 分類と系統から見たダイアグラム論 作者: 三中信宏出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2017/04/26メディア: 単行この商品を含むブログ (31件) を見る 書は体系学者三中信宏による図形言語「ダイアグラム」を分類や系統の視点から深く語る一冊.三中によると2017年に出版された書と2018年出版の「系統体系学の世界」「統計思考の世界」は「単系統群」をなしているのだそうだ.私としては「系統体系学の世界」は是非読みたいと思っていたので,いわば予習として書に取り組んでみたものだ. プロローグ プロローグではデータを読み取り,思考を体系化する上ではダイアグラムが非常に有用であることが強調される.その例としては天気記号(さらに日式天気記号は日のユーザーに特化していることも指摘されている)が挙げられ,さらにダイアグラムの歴史を辿り,アンダーソンのアヤメの花弁の形態的特

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    yuiseki 2018/06/10
  • 心理学評論特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    昨年,Science誌に,心理学実験の研究論文について重大な疑義を投げかける論文「Estimating the reproducibility of psychological science」が掲載された.これは心理学者にとってはまさに衝撃的な内容だった. http://science.sciencemag.org/content/349/6251/aac4716 Estimating the reproducibility of psychological science Open Science Collaboration アブストはおおむね以下のような内容だ. <導入> 再現性は科学の決定的な特徴だ.しかし最近のリサーチでそれがどこまでその特徴とできるのかは知られていない.科学的な主張は現著者の地位や権威によって信頼性を得るべきではない.それは支持証拠の再現性によるべきだ. しかし

    心理学評論特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    yuiseki 2018/06/10
  •  「統計思考の世界」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    統計思考の世界 ?曼荼羅で読み解くデータ解析の基礎 作者: 三中信宏出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2018/05/18メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 書は三中信宏による「思考の体系学」「系統体系学の世界」と併せて単系統群トリロジーを構成する統計思考にかかる一冊.三中は様々な場所でリサーチャー向けに統計学の講義を担当しており,その際にカリキュラムとして話してきた内容が整理されたいわば「講義録」になる. 後の2冊が春秋社,勁草書房といういかにも文系向けの出版社から,「縦書き物理のみ」という数字アルファベット数式混じりの文章を扱う上で全くユーザーフレンドリーでない形式で出版されたのに対して,書は技術評論社から「横書き電子版同時出版」というスマートでユーザーフレンドリーな形式で出版されておりうれしい限りだ. プロローグ 冒頭ではいきなり,昨今では「

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    yuiseki 2018/06/10
    これ読みたい
  •  「腐女子の心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか? 作者: 山岡重行出版社/メーカー: 福村出版発売日: 2016/06/09メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 書は社会心理学,パーソナリティ心理学の視点から「腐女子」についてのリサーチを行った結果をまとめただ.元々マイノリティとそれに対する差別の心理(正確には「少数派の意識と,多数派の少数派に対する意識」)をリサーチしていた著者が,学生から「腐女子」をテーマに卒論を書きたいと相談されることが多くなり,基礎的な文献がないこともあって自ら行ったり指導してきたリサーチをにしたという経緯を持つ.だからこの分野の基礎的な文献になることを目指した専門書であり,構成的には多くのリサーチテーマについて,それぞれテーマの解説,調査方法,結果,考察という形で書かれており,かなり硬派なに仕上がっている. なお書では「腐

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    yuiseki 2018/02/17
    メモ
  •  「きずなと思いやりが日本をダメにする」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    きずなと思いやりが日をダメにする 最新進化学が解き明かす「心と社会」 作者: 長谷川眞理子,山岸俊男出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2016/12/15メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (7件) を見る 書は社会心理学者の山岸俊男と行動生態学者の長谷川眞理子の対談をにしたものだ.それぞれの分野で日を代表する研究者である二人が,「『ヒトとはどういうものか』についての知見が社会心理学や進化心理学のリサーチを通じてここ20年ぐらいで積み重ねられてきているのにもかかわらず,日政治や行政においてそれを生かしてよりよい社会を作ろうという動きがとぼしいこと」に憤慨している中で行われた対談というわけで,いろいろストレートな発言があって大変面白い.基的には進化により形作られたヒトの性を無視すべきではないということ,ヒトの行動は「心」次第でどうにでも

     「きずなと思いやりが日本をダメにする」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    yuiseki 2017/11/23