空気で約30%体積が増した速い水玉をお尻に毎秒100発当てて、“強さ”を保ったまま、“たっぷり感”も高められたエアインワンダーウェーブ洗浄で、トイレの吐水技術は1つの完成形に到達した(前回、「ウォシュレットが発射する「最強の水玉」誕生の裏側」参照)。しかし、一方で“突然変異”のように、その進化の道筋とは別のところで画期的な「水玉洗浄」の技術が生み出されていた。最終回は、小惑星探査機「はやぶさ」搭載のテクノロジーにも匹敵する技術の誕生の秘密に迫る。 電磁ポンプがないのに水玉が! これまで見てきたワンダーウェーブ洗浄、新ワンダーウェーブ洗浄、エアインワンダーウェーブ洗浄という吐水技術の進化では、常に、電磁ポンプのピストン運動によって水玉をつくり、その間の温水を間引くことで、毎分430mlという限られた水流量のなかで“たっぷり感”を実現してきた。