マスク氏が有料化に言及した背景には、長年の懸案であるボット対策や差別主義的なアカウントへの対応強化という意図があるようだが、本音としては万年赤字のXを本格的に黒字化させたいという狙いもあるだろう。 Xは2006年の旧Twitterの創業以来社会的な影響力を増しているが、経済的には厳しい状況が続いていた。公開されている範囲でも、10年から22年までの12年間のうち、純利益が黒字になったのは18年と19年の2年間だけだ。20年以降はコロナ禍による経済活動の停滞や、直近で黒字経営に転じたことに乗じた拡大戦略が仇(あだ)となり、大幅な赤字に転落していた。 有料化して失敗した先行事例 その後、マスク氏による買収によって従業員は8000人から1500人まで減少した。同社の収益構造は幾分か健全化したようだが、Xの影響力とユーザー数を収益につなげきれていないのが現状であろう。 無料で利用可能なサービスは、