失われた過去と未来の犯罪 作者: 小林泰三出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/06/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 全人類の長期記憶が一斉に不可能になったら 『玩具修理者』や『アリス殺し』の小林泰三さんの新刊だが、これがもう凄すぎて/面白すぎて読み始めてすぐに笑ってしまった。何が凄いって「全人類の長期記憶が一斉に不可能になったら」という無茶苦茶な展開を大真面目に描いていくのだ。 作中ではある日原因不明の事態によって、人類全員が特定の時点から「長期記憶をすることが不可能」に。その結果、それ以前の記憶は普通に保持しているのだがそれ以後のことは10分ぐらいおきに忘れてしまうので、その人の中ではなかったことになってしまう。小林泰三さんは昨年『記憶破断者』という、同じく長期記憶が不可能になった主人公が他人の記憶を勝手に書き換える能力者/殺人