著:池谷 敏郎 著者が院長を務める内科・循環器科専門のクリニックには、いくつも病院を替えて渡り歩く患者が数多く来るという。どうしてそのような患者が世の中に大勢いるのか、その背景には何があるのか、セカンドオピニオンのあり方や病院選びの基準など患者はどのようにすればいいのかについて書かれた本である。 検査してもなんともないのに足が冷たいと訴え、次々病院を替える人。心臓が痛いと訴え、検査してもなんともないが医者も後で責任を問われるのは避けたいので、とりあえずニトログリセリンを処方しておく。セカンドオピニオンをはきちがえている人。その分野の専門知識が不足しているのに医師免許の上では問題がないので専門医を掲げている医者。医療の現場ではそのようなミスマッチがたびたび発生する。 原因としては、大きく3種類あるという。まず第一に、医療を行う側の問題。患者の話を聞かない医師や、その背景になっている診療点数制