うちの会社にも森若さんのような人がいれば。『これは経費で落ちません!』を見て、そう思う視聴者も少なくないだろう。 石鹸メーカーの経理部で働く森若沙名子(多部未華子)の職場での日々を描く“お仕事ドラマ”だが、意外や見どころ一杯で、見るものを飽きさせない。 多部未華子 ©時事通信社 社員が提出する膨大な領収書や請求書の中に、ときおり森若さんが「んっ?」と違和感を覚えるものが混じっている。不正や隠ぺいの微かな匂いとでもいったらいいか。領収書に記載された数字が、どこか怪しげにユラユラ動いている。 経理という一見、地味な職場で起きている、小さいけれど、それゆえに厄介なサスペンスと向き合い、処理していく“経理の森若さん”の姿が格好よく、さすが多部ちゃんである。 たこ焼代金四百五十円に始まり、ブラウス代六万六千円、さらには一眼レフ・カメラ四十万円まで。どれもにもっともらしい名目がついているが、果たしてこ