2011年3月11日、日本は未曾有の大災害を体験した。地震、津波、そして福島第一原発の事故──。3.11 をきっかけに、世界は日本に注目している。英BBC は、あの日とこの1年間の日本をどのように見つめ、伝えてきたか。私たち日本人は、本当に教訓を得たか? BBC への取材で浮き彫りになった、私たちの姿を問う。 2011年3月11日午前5時46分、ロンドン。BBC(英国放送協会)ワールドニュースなどBBC関連すべてのインターナショナル部門の編集トップであるリチャード・ポーター氏は、会社からの電話を受けて、ベッドから飛び起き、TVを付けた。 チャンネルをBBCニュースに合わせた。BBCがNHKからピックアップした速報映像が流れていた。画面にはマグニチュードの数字もあった。「これは大変なことが起こったぞ」。ポーター氏は、事の重大さに身が震える思いだった。 東京支局に勤務するBBC特派員ローラ