昨年4月に事故直後の福島第1原発に作業員以外で初めて入った独立総合研究所の青山繁晴社長・兼・首席研究員が、今度はフランスで廃炉作業中の原子炉の格納容器内へ足を踏み入れた。ほとんど見ることができない深奥部作業の現場から、福島第1原発の廃炉や核燃料の処分について大きな課題が見えてくる。 青山氏が訪れたのは1991年に運転を終了したショー原発。関西電力や四国電力の原発でも使われている加圧水型軽水炉の廃炉作業が進行中だ。 「福島原子力災害の克服へ避けて通れないのが、廃炉、それも人類が未経験の悪条件下での廃炉です。しかし国も東電も世界の知見を集める積極姿勢がない。そう考えるのなら自分で行くしかありません」と青山氏。 フランス電力公社(EDF)の技術者らは、青山氏が福島第1原発に真っ先に入ったことをよく知っていて、それを評価し、現場で予定外の提案をした。それは廃炉作業中の格納容器の内部に入ること