(熊さん)消費税の引き上げが来年4月から8%になるのが本決まりみたいですね。それといっしょに企業減税もするって新聞に出てたけど、企業も増税で協力じゃなくて、反対に減税だって、こりゃどういう了見なんですかね。(ご隠居)消費税を上げると企業も苦しくなるから、賃金を下げたりしたら景気は冷え込んじまう。そこで賃上げできるように企業を助けてやろうってことなんだな。日本の法人税は高いから国際競争に不利だって不満も、以前から経済界にはあるんだよ。(熊)本当にそうなんですか。(隠)今はグローバル自由競争で、法人税を低くして外国の企業を誘致しようとする国が多いんだよ。法人税はゼロにするのが当り前だという主張まであるんだ。企業活動のタックスヘイブンだな。(熊)えっ、そんなの無茶苦茶じゃないんですか。(隠)身勝手な言い分だが、理屈がないわけじゃない。法人というのは、人の集まりを仮に人のように見立てて事業ができる
昨日の記事のコメント欄で、みどりさんに答えた中で、久しぶりに「反動」という言葉を使った。この言葉で直ちに一定の否定イメージを持つ年代は、70代以上ぐらいだろうか。戦後の民主化ムードの中で「反動」は時代に逆行する勢力を指した。共産党系の労働組合では、既得権を守ろうとする管理職への告発などによく使われたものだ。 ベースとしては、世界は社会主義化へ進むという唯物史観があった。勤労者大衆が社会の主人公になるのだから、それに抵抗を試みる反動勢力は、遅かれ早かれ追放されるというものだ。現に革命前後の中国では、「反動」の烙印を押されれば、直ちに追放・粛清されることを意味していた。 戦後の日本は共産化したわけではなかったが、民主主義と平和主義は天下公認の思想とされていたから、それに逆らう言動は、やはり「反動」だった。ところが今、安倍自民党による改憲や防衛力強化の動きに対しては、「反動」という言葉を使っての
今は沖縄に在住されている高江洲瑩(あきら)さんは博士号を持つ化学の先生で、そのブログ「読谷の風」は、沖縄の新聞の論説を頻繁に引用・紹介してくださるので参考になることが多い。基地問題はもちろんだが、原発についても、本土の新聞が報じない情報を知ることができる。私は沖縄の新聞を購読する代わりにもなると思って重宝させていただいている。 周知のように沖縄には原発がない。電力会社の中で、抱えている原発がゼロなのは沖縄電力だけである。だから書けるのかもしれないが、昨日の「『世界最高』は欺瞞だ」は衝撃的だった。原子力規制委員会が決めた新しい審査基準は、世界最高レベルの厳しさどころか、現在の世界基準では穴だらけの甘さだというのだ。 原発にもいろいろあって最新は第4世代だそうだが、日本の原発は古いものが多い。最新基準を適用したら合格できるものは一つもなくなってしまう。そこで基準を緩めるのだが、第2世代の基準さ
選挙報道の蔭に隠れていますが、気になるニュースがあります。NHKでも伝えられたようですが、「東京電力福島第一原子力発電所で、観測用の井戸の地下水から放射性物質が高い濃度で検出された問題で、周囲に掘った別の井戸の水からさらに高い濃度の放射性物質が検出され、東京電力では観測用の井戸を増やして監視を強める」というのです。 この問題について、「読谷の風」ブログで紹介されていた「福島第一作業員日誌」によると、以前から「原子炉の地下で汚染された地下水が海側に移動しているとしか考えられない」と述べていました。私はそれで多くの謎が解けると思いました。 この場合、メルトダウンした核燃料が、原子炉建屋の地下に達して、地中で大規模な汚染の拡大を始めていることになります。場所は海岸の近くですから、拡散の防止は国家的な大事業にならざるを得ないでしょう。港を閉鎖して海を隔離する程度で済むのかどうか。 今日はこれから出
「プルートーンの火・地獄の火を盗む核文明」(現代教養文庫・社会思想社1976年)を読みました。高木仁三郎が都立大学を退職して間もない、著作としては初期のものです。「現代の博物誌」シリーズ7冊のうちの1冊を担当したもので、石油ショックの記憶も新しく、原子力発電が一般にはまだ救世主のように思われていた時期です。核文明は人類の第二の火となれるか、という根源的な問題提起をしています。 著者も「あとがき」で書いていますが、これは単なる科学解説書ではなく、核文明と人間社会との関係を、包括的に考察したものです。ですからプルトニウムについても、特段に新しい知識が得られるということでもありません。ただ、プルトニウムのどこがどのような理由で人間の文明にとって受け入れ難いのかという、骨太の思想が伝わってくるように感じます。著者の生涯をかけた「反核の思想」が固まった、原点に近い著作と言えそうです。 「プルートーン
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く