走りと機能を追究したのに見た目で勝るライバルに負けたモデルも 1950年代まで遡ると、デザインが奇抜で販売不振に陥った車種は数多く存在する。初代日産ブルーバードとの戦いに敗れた丸みのある初代トヨタコロナ(1957年)、尻下がりといわれた2代目日産ブルーバード(1963年)、スピンドルシェイプの4代目トヨタクラウン(1971年)などは、デザインが発展途上の段階にあり、見栄えが悪く売れ行きに影響を与えた。 しかし最近はデザインの失敗作が減った。クルマ造りの経験を重ねて「売れるか売れないか」の見極めが可能になったからだ。それでも稀に「デザインで売れないクルマ」が登場する。商品開発がマンネリになって販売が伸び悩み、突破口をデザインに求めた場合に多い。 とくに難しいのがフロントマスクだ。クルマの前側の断面形状は大半が横長で、背の高い車種は正方形に近い。ここをいかに造作するかが腕の見せどころだが、ボデ