京都市交響楽団の常任指揮者に就任する沖澤のどかさん。成長を後押しする巨匠たちの言葉があった=京都市左京区で2022年7月12日、梅田麻衣子撮影 2023年4月に京都市交響楽団の常任指揮者に就任する沖澤のどかさん(35)。発表時には年齢や性別がことさら注目されたが、本人は「音楽家として女性であることを意識したことはありません」と言い切る。最短距離を歩むように見える指揮者としての道も、挫折を味わい「やめてしまおう」と悩んだこともあったという。重圧から解き放ち、成長を後押ししてくれたのは「いいものはいい」「Be yourself」という巨匠たちの言葉だった。 指揮者になったわけ 22年7月、沖澤さんの第14代常任指揮者就任が発表されると、多くのクラシックファンは「新しい風が吹いた」と沸き立った。1956年に創立された京響で初めての女性。さらに、35歳での就任は第2代、故ハンス・ヨアヒム・カウフマ