「現象」を指すだけの日本の流行語 この原稿は、今年の「新語・流行語大賞」が発表される直前に書いている。ノミネートされた30語は手元にあるが、大賞が何になるのかはまだ知らない。 けれども、どうせパッとしないものになるだろう。最近の流行語大賞は、どうにもさえない。「えー、これが大賞?」「知らねーよ、こんな言葉」という突っ込みまで含めて、年末恒例の行事になっているかのようだ。 たとえば昨年の大賞を獲得した2つの言葉を、すぐに言える人がいるだろうか?(「トリプルスリー」と「爆買い」) 今年ノミネートされている30語のラインアップを見ても、なんだか釈然としない。 「新語・流行語大賞」の公式サイトによれば、この賞の趣旨は〈1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶ〉というものだ。 しかしノミネートされた
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