ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、今年に入り世界の富豪上位500人の資産計1兆4000億ドル(約188兆円)が失われた。世界の金融市場がインフレ懸念や金利上昇で圧迫される中、13日だけで2060億ドルが吹き飛んだ。 キャップジェミニが14日発表したワールド・ウェルス・リポートによると、相場急騰で世界の富裕層人口が約8%増加した昨年とは極めて対照的だ。昨年は地域別で北米が13%増えた一方、アジア太平洋地域は4.2%増にとどまった。過去10年にわたりアジアの富裕層の伸びは世界でも群を抜いていたが、今では欧米に後れを取っている。 中国のテクノロジー企業に対する締め付けと不動産市場の冷え込みが一因だが、米株式相場の急伸で暗号資産(仮想通貨)から不動産に至るまで資産が膨らんだことも影響している。インフレ高進を背景に、現在は状況が急速に反転しており、米金融当局の利上げペースを巡る懸念が強まってい