今回の参院選で菅義偉は、麻生太郎や岸田文雄の力を削ぐための工作に全力を挙げた。とりわけ目を引いたのが、岸田の地元、広島選挙区での自民党候補擁立による岸田の後見人の追い落としだ。 だが、それだけではない。水面下では自党の候補者をそっちのけで他党の候補者を支援し、自らの影響力の拡大を図った。 地元・広島県で露骨な「岸田潰し」 新聞や週刊誌でも一部報じられたが、広島選挙区では自らの人脈を使って露骨な岸田潰しに出た。岸田の地元である広島県の自民党現職は宏池会(岸田派)の最高顧問である溝手顕正。菅は「広島では自民党が2議席とれる可能性が高い」として、自らの側近である衆院議員・河井克行の妻・河井案里(県議)を2人目の候補として擁立した。これには地元の広島県連が猛烈に反発し、自民党の地方議員の大半が溝手についた。 だが、菅はこの6年余で極めて密接な関係を築き上げた創価学会副会長(広宣局長)の佐藤浩に河井