酒好きが多いイメージの高知県。日本酒は土佐酒と呼ばれ、杯を受けたら飲み干して相手に返す献杯・返杯などの酒文化も有名だ。この地で、高知の代表的料理であるカツオのたたきに合うワインが誕生した。井上ワイナリー(高知県香南市)が2021年から自社醸造を始めた。高温多湿の高知はブドウの栽培に適さないとされてきた。ユズやブンタンなどのかんきつ類は生産量が多いものの、ブドウはほとんどなかった。その常識を打ち
一歩間違えば、そのまま取締役を退任――。そのような事態に見舞われたのは、キヤノンの会長兼社長CEO(最高経営責任者)である御手洗冨士夫氏だ。事が起きたのは、2023年3月30日の定時株主総会だった。 キヤノン取締役の任期は1年。そのため毎年3月の定時総会で取締役の選任・再任が議案として諮られる。選任・再任されるには、株主の過半数の賛成を得ないといけない。 ところが、今年の総会での御手洗氏再任に対する賛成率は50.59%。ぎりぎりの再任となった。御手洗氏は1981年から取締役を務めているだけに驚きは大きい。証券アナリストからも、「もし再任されていなかったら株価への影響などどうなっていたのだろう」と戸惑いの声が聞こえる。 昨年から賛成率低下の兆候 足元のキヤノンの業績に不安はない。医療機器や監視カメラ、半導体露光装置などが好調で、2022年12月期は5年ぶりに売上高が4兆円を超えた。コロナ禍で
私たち京都醸造がビール造りを始めた2015年頃、世界中のクラフトビール業界はこぞって右肩上がりで、この先も明るい展望しか待っていないような雰囲気に包まれていました。アメリカ国内で生産されるビールの総量の20%がクラフトビールが占めるようになり、欧州やアジア諸国でも同様にその認知度と支持層を広めていきました。 日本国内に焦点を当てると、まだ玉石混交だった90年代初頭の「地ビール」ブームが過ぎ去って以降しばらく低調になっていた業界でしたが、彗星のごとく登場したいくつかの新しい醸造所がこれまでのイメージを一掃しました。それは、ちょうどその時代にあったビール製造免許の条件緩和が大きく影響し、1999年を迎えるまでにしっかりとした品質をもったビールを造る300を超える醸造所が国内にひしめき合う結果を呼びました。それは、当時遠く離れたアメリカで起こっていた大量生産によって造られた退屈で味気ないビールで
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