東日本大震災の被災地にたまったがれきの撤去をめぐり、菅政権は作業時の私有地立ち入りなどを認める「指針」をまとめ、関係7県に通知した。ただ、現場の実態を十分踏まえた内容とは言えず、撤去作業が滞る事例があちこちで起きている。 「船はどう扱っていけばいいのか」。26日、宮城県庁で開かれた災害対策本部会議で村井嘉浩知事が嘆いた。 出席した海上保安庁の担当者は、県沿岸部で漂流中の船を245隻回収したが、所有者に返したのは13隻にとどまると説明。「回収する船の数はまだ増えることが予想される」と報告した。 船は海上だけでなく、陸地にも膨大な数が打ち上げられている。だが、政府の指針はいったん「仮置き場」まで移動することを求めており、この規定が被災地を困らせている。 港は破壊され、街にはがれきがあふれ、船の保管場所を見つけるのは難しい。がれきを撤去しても、公用地の多くは仮設住宅の建設候補地だ。県内だ