菅直人首相が、6月8日で就任から1周年を迎えた。まもなく退陣が決まっているとはいうものの、安倍晋三首相(366日)を超えて、小泉内閣以降では最長記録になりそうだ・・・などと笑っている場合ではない。 菅首相は新憲法で29人目と、世界最多のイタリア(38人目)にかなり迫ってきた。イタリアの首相が短命になる原因は、比例代表で小党分立が続くからだと言われてきたが、日本では二大政党にして政権を安定させようとした小選挙区制の導入後に逆に短命になり、ここ15年で11人である。小泉内閣を除くと、平均1年にも満たない。 なぜここまでひどいことになったのか、いくつかの仮説で考えてみよう。 仮説1──「政治家の質が落ちた」 かつての吉田茂や田中角栄などに(毀誉褒貶はあっても)大宰相の風格があったのに比べると、最近の政治家のスケールが小さいことは事実だ。 高度成長期の自民党には、軍事的には日米同盟、経済的には財界