香港で昨年秋に出版されたゴシップ本の一つに『習近平内部講話』(広度書局)がある。習近平が党中央内部で行った2009年9月から2014年9月までのいくつかの講話原稿をまとめたもの、という。八・一九講話など、いくつか本物らしい裏のとれる原稿が含まれており、とりあえず細切れの時間に、暇つぶしに読むくらいの価値はありそうである。 習近平の新南巡講話とか20世紀に共産党が行った戦争の回顧と反省など、なかなか面白い。その中で、興味を引くのが2012年9月13日付の「第18回党大会前の時局においての個人的見解」と題した、胡錦濤、温家宝および江沢民、李鵬、朱鎔基、喬石ら同志・長老宛てに送った手紙の中にある「対日対米に関する見方」である。 これはちょうど習近平が「謎の失踪」(2012年9月1日~14日)によって、ヒラリー・クリントンら要人との面会をドタキャンして、様々な憶測を呼んだころの日付となっている。多
Aさんは相続の相談をしていると突然、泣き出してしまった。 Aさんの父親は、埼玉県内で有数の地主。一人娘であるAさんは小さい頃からしきりにこう聞かされていた。「自分が亡くなったら相続税が大変だ」。 とにかく家計は質素倹約、納税のための貯蓄を何十年も続けている。そのため、家族旅行に行ったこともなければ、Aさんが学生時代に海外留学したいと言ったときも反対されて、かなわなかった。そんな身の上話が延々と続き、Aさんは思わず感極まってしまったのだ。 「土地を守る」ために、納税貯蓄をする愚 Aさん一族の資産は土地が多いものの、収益を生んでいるものは少ないために、毎年固定資産税の支払いすらおぼつかない状況にある。 いくら土地をたくさん持っていても、その土地が利益をあまり生まないのであれば、「資産家」とはいえない。 しかし、なぜか地主といわれる方には「土地を守る」ということが金科玉条になってしまっているケー
自動運転システムで制御された無人タクシーが人間を目的地へ運ぶ──。そんな前代未聞のタクシーの開発を進めている企業がある。自動運転システムを開発するロボットベンチャー、ZMPだ。名付けて「ロボットタクシー」。創業者の谷口恒社長は「2018年までには実用化にこぎ着けたい」と話す。 「世界的にはほぼ無名に近いベンチャーが、残りわずか3年で無人運転のタクシーなど開発できるはずがない」。そう思う人も多いはずだ。だが、事情を知る業界関係者の多くは、谷口社長の宣言を「大言壮語」とは全く捉えていない。ZMPは、小粒ながら自動運転技術の発達を支えてきた、同分野の知られざるガリバー企業だからだ。 自動車制御機器メーカーや商社などを経て、谷口社長がZMPを創業したのは2001年。以来、独立行政法人の科学技術振興機構から移転された2足歩行ロボットの技術をベースに、自動運転の頭脳となるソフトウエア技術を次々に開発し
糸井重里(いとい・しげさと) 1948年生まれ。コピーライター。ほぼ日刊イトイ新聞、主宰。作詞、ゲーム制作など、多岐にわたり活動。98年6月に毎日更新のウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは同サイトでの活動に全力を傾けている。最新刊に、早野龍五氏との共著『知ろうとすること。』(新潮文庫)、『ぼくの好きなコロッケ。』(東京糸井重里事務所)などがある。(写真:大槻純一、以下同) 糸井重里(以下、糸井):けっきょく、いくらインターネットで世界がつながったように見えても、自分の生存範囲の中にしか、人生ってないんですよね。一見、世界各国を飛び回ってる人でも、彼は彼の範囲内で生存してるわけです。昔、永ちゃん(矢沢永吉)が言ってました。「矢沢永吉だからって、ミカン1個まけてくれないのよ」って。数万人が熱狂するステージに立つ人でも、近所の八百屋さんで買い物するときの500円は、他の人と一緒の
清野 由美 ジャーナリスト 1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。 この著者の記事を見る
川島:石井先生は、マサチューセッツ工科大学(MIT=Massachusetts Institute of Technology)のメディアラボ(MEDIA LAB)にいらっしゃいますよね。この連載は「ダサい社長が日本をつぶす!」というタイトルなんです。日本の企業が作っている製品やサービスのデザインが、かっこよくなくなってきている。それはなぜなのか、どうしたらもっとかっこよくなるのかということについて、さまざまな方にインタビューしているものです。 石井:「ダサい社長が日本をつぶす!」。凄いタイトルですね。 大前提が間違っている 川島:日本人デザイナーの中には、アウディの和田智さん、ピニンファリーナの奥山清行さん、アップルの西堀晋さんなど、海外の一流企業に籍を置いて活躍してきたデザイナーがいる。石井さんもMITのメディアラボで副所長として、またメディア・アート&サイエンスの教授として、ハイレベ
池上:前回は、中国のアフリカでの経済開発のお手本が、実は戦後日本が行ったアジアの開発援助だった、というお話をうかがいました。 援助でインフラを整える。 次に、商品を投下して消費マーケットを作る。 そして、現地の安価な労務費を活かした工場移転。 これが、アジアにおける経済開発のセオリーでした。 平野:その通りですね。 池上:ところが、平野さんの話だと、アフリカの場合、3の工場移転が難しい、とのこと。 平野:はい。今、本気でアフリカに工場移転したいと思っている日本企業はほとんどいないでしょう。 池上:どうしてですか? たとえば南アフリカは、かなり前から日本やドイツの自動車会社の工場があるじゃないですか? 平野:南アフリカは、白人政権時代は先進国扱いでした。アフリカにおける例外です。トヨタ自動車は南アフリカのダーバンに、すでに1960年代に工場を建てています。南アフリカは、アフリカ大陸の中で例外
神奈川県のとある寺院は昨年、税金の処理で大わらわだった。2011年暮れに先代の住職が急逝。長男のAさん(50)が急遽、住職を務めることになったのだ。Aさんはすでに僧籍を取得しており、いつでも寺を継げる状態ではあったが、寺の経理には一切、ノータッチだった。 父親の葬儀から3ヵ月経ったある日。ブルーのスーツを着た2人組が寺の門をくぐった。地元の税務署員だった。「寺院帳簿を見せてほしい」。そう告げられ、3日間、相続税を中心とする税務調査が行わることになった。 寺の収入を管理している帳簿や、預金通帳、賽銭箱、掛け軸や骨董、車などが細かく、調べられた。税務署が特に注目したのは、「住職の私的な財産」だ。 宗教法人である寺の財産のうち、例えば仏像や仏画、儀式に使う道具などは信仰の対象として公益性を帯びており非課税と認められている。また、宗教法人名義の預貯金などの金融資産にも税金はかからない。これらは、僧
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