雨は雲の中から降ってくる。しとしと程度の雨だったら「こういう刺激もいいね」と好意的に受け止めるが、土砂降りになれば泥まみれになる。今のクラウドコンピューティングは、まさにゲリラ豪雨のような勢いだ。大量の情報がITベンダーから一気に押し寄せてきている。 「新しいサービスというが、そのクラウドコンピューティングが何を提供するのかという肝心な説明がない。単なる新しいデータセンターの話に終始している。物理的なインフラと、インフラの使用用途を混同しているのではないか」。IT部門出身のシステムコンサルタントである東山尚氏は、こう話す。 同氏が気にするのは、クラウドコンピューティングがITベンダーの視点でばかり語られていることだ。将来、すべての企業情報システムがクラウドに飲み込まれてしまうという観測が流れるほど。「自社システムの将来はユーザー企業が決めることだ。クラウドコンピューティングというはやり言葉
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