人間開発報告書(Human Development Report:HDR)は1990年に初めて発刊され、その中で開発援助の目的を、1人でも多くの人々が人間の尊厳にふさわしい生活ができるように手助けすることであると位置付けました。その上で国の開発の度合いを測定する尺度として、1人当たりのGDP、平均寿命、就学率を基本要素として、これらを独自の数式に基づき「人間開発指数」として指数化したことに始まります。以来、人間開発報告書は毎年異なるテーマの下に人間開発のあり方を問題提起し、国際社会の議論をリードしてきました。1992年にリオデジャネイロで開催された国連環境会議をはじめ、1994年のカイロでの国際人口開発会議および1995年のコペンハーゲンでの社会開発サミット等を通じて、人間開発という概念は国際的にも幅広く受け入れられ、今や定着した概念となりつつあります。2010年には人間開発報告書発刊から