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ブックマーク / mwtstinger.info (45)

  • やりすぎへの道③ ~そして本番へ~

    「五郎さん、完歩できる自信ありますか?」 「正直、弱気になってます・・・・・」 日付が日曜日に変わりしばらく経った午前1時30分、マリオからのつぶやきにも似た弱音がいきなり聞こえてきた。 この大会に誘ってきたのも唐突なら、番でいきなり弱音を吐き始めるのも、これもまた唐突だった。 11月11日午前8時20分に小田原城の銅門を元気よくスタートし、平塚高浜台の第1チェックポイントから第2チェックポイントの江ノ島水族館までを問題なく通過。 そのままの勢いで藤沢から戸塚を過ぎ、みなとみらいの美しい夜景をスマホで撮影する余裕も見せながら、さらに第一京浜沿いを歩き品川を目指している最中だったのだ。 戸塚を過ぎるあたりまでは順調だった。 ワイワイと他愛もない無駄話を交え、太陽の傾きに合わせて表情を変える湘南の海や、水面に映る横浜の夜景を楽しみながらの道行きは、しんどいものであったが余力は十分にあり問題は

    やりすぎへの道③ ~そして本番へ~
    zusannnu4
    zusannnu4 2022/12/14
    ちるちるみるく
  • やりすぎへの道② ~血染めの特訓~

    会社を辞めたい、残りの人生を有意義に過ごしたい、今度こそダイエットを成功させたい! いろいろ思い悩むアラフィフおやじの日々のつぶやき。 「じゃ練習しましょう」 「来週にでも」 またしてもマリオからの誘いは唐突であった。 この日もラインで会社の悪口やら、どうでも良い下らない会話を送受信している最中からの打診であったのだ。 何をどうするとこの脈絡もない話の展開になるのか、何度も頭を抱えてしまったが、高額なエントリー・フィーを支払い、高らかに参加を表明してしまった東京エクストリームウォーク対策の話である。 たとえ話の脈絡が不整脈のように規則正しくなくとも、ここは襟を正し、しっかりと打ち合わせせねばなるまい。 途中でリタイアする事態に陥れば、エントリー・フィーをむざむざドブに捨てることであり、家族や友人たちの「どうせゴールなんて出来やしねぇよ」という、負の期待に見事応えることにもなる。 準備はし過

    やりすぎへの道② ~血染めの特訓~
    zusannnu4
    zusannnu4 2022/11/18
    ちるちるみるく
  • やりすぎへの道① ~エクストリームは突然に~

    「じゃ出ますか」 「エクストリームウォーク」 マリオからの誘いは唐突で突然だった。 ラインでのやりとりの最中、いきなり東京エクストリームウォークへの参加を打診してきたのだ。 今の今まで、社内通信インフラの不具合で回線速度が著しく低下し、リモートワークの生産性も引きづられるように低下(エンターを叩いても5分以上ノー・レスポンス状態で全く使い物にならない)したことへの罵詈雑言で盛り上がっていたというのに・・・・・。 この会話の最中、一体どこからその単語が出てくるのか皆目検討がつかず、最初、頭の中は疑問符だらけだったのだが、マリオからのこのようなサプライズばりの誘いは一度や二度ではない。 慣れっこになっていたとはいえ、あまりの脈略のなさに思考を整理しながら、エクストリームウォークなるイベントがどのようなものかキーボードを叩き確認してみた。 「東京エクストリームウォーク」とは、自身の体力と気力の限

    やりすぎへの道① ~エクストリームは突然に~
    zusannnu4
    zusannnu4 2022/11/14
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  • 人生の苦だんご

    人生は恥の上塗り 思えば、いや、思わずとも、恥の上に恥を塗り重ねながら、我が人生は半世紀以上の時を重ねていったのだ。 芳醇なウィスキー(サントリーオールド/格安酒屋で購入¥1,450税別)が一口、喉の奥を通り抜けていく。 無精髭が薄く浮かぶ喉元を小さく上下させながら、ゆっくり、ゆっくりと、琥珀色の液体が肚の中に収まっていく。 誰かが言った。 「ウィスキーを飲んだ途端、神が全身を暖かく抱きしめてくれたのだ」と。 私の場合は神ではなく、艶かしい遊女が着物の帯を解くように、ゆるりゆるりと、蛇が蜷局とぐろを巻くような、湿った肌触りと生暖かさでウィスキーに抱きしめられるのだ。 そんな酔いに溺れる宵ほど、愚かな過去の自分を思い出してしまう。 年相応とはなんぞや?と、その言葉の定義を紐解かずとも、幼少期から学生時代まで、いや、成人した後も、ありとあらゆる愚かな年不相応な行為を繰り返してきた。 授業中、聞

    人生の苦だんご
    zusannnu4
    zusannnu4 2022/10/07
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  • 黄昏のスキャット

    スキャット スキャット。 己の声を楽器に見立て、即興的に、その声を伴奏のメロディーに乗せてゆく。 有名どころといえば、ザ・ビーナッツ「恋のフーガ」、サントリーオールドTVCM「夜が来る」、「徹子の部屋オープニングテーマ」、由紀さおり「夜明けのスキャット」、スキャットマン・ジョン「スキャットマン」あたりが有名で、読者の方も何人かは聞いたことがあるだろう。 (昭和世代限定ってことで) 数ある名曲の中、我が人生におけるスキャットの名曲、孤高のナンバーワンソングといえば、さだまさし「北の国から」のテーマをおいて他に考えられない。 どこまでも続く、澄み切った青い空を思わせるアコースティックギターのアルペジオから始まり、その弦がはじき出す音色に乗るスキャットは、フワっと優しく浮かぶ白い雲のようだ。 ささくれ立って荒んだ心に干天の慈雨が染み渡り浄化していくような、慈愛に満ちたスケールの大きい名曲だ。 歌

    黄昏のスキャット
    zusannnu4
    zusannnu4 2022/10/03
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