同じ意見の人たちだけで交流するのは楽しいけれど 彼らは世の中のさまざまな出来事も、自分たちの文脈だけで解釈し、新しい考え方を読み取ろうとする努力を怠るようになっていきます。するとますます自分と同じ意見の人とだけ交流し、自分と考え方や感性が違う人たちとは一切つきあわなくなります。それは楽で楽しい世界かもしれませんが、多様な人々と共存する社会に生きる人間として、いかがなものでしょうか。 情緒的読解力とは、自分とはまったく違う境遇の人、考え方が異なる人、自分がしたことのない体験をしている人に対しても共感できる力です。親の介護に苦労していたり、失業してしまったりといった人などの心を汲みとることができる力です。 たとえば読書をしていて、自分には実際にそんな経験はまったくなくても、もしもこういう状況になったら、登場人物がそういう気持ちになるのはわかるな、と感じたり、まるで自分のことのように理解できたり