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ブックマーク / www.nikkei-science.com (11)

  • 2021年ノーベル生理学・医学賞:温度受容体と触覚受容体の発見で米の2氏に

    2021年のノーベル生理学・医学賞は,温度受容体および触覚受容体を発見した功績で,米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のジュリアス(David Julius)教授,米スクリプス研究所のパタプティアン(Ardem Patapoutian)教授の2氏に授与される。 温度受容体の発見 人間は,自分の周囲にある環境をさまざまな感覚を通じて把握している。たとえば視覚や聴覚,嗅覚の情報は,それぞれ目や耳,鼻の細胞にあるタンパク質のセンサーによって受容され,電気信号に変換されて脳へ伝わる。触覚や温度,痛みといった感覚も同様だが,センサーとなるタンパク質の正体は長らく不明だった。 ジュリアス氏らが痛みの感覚を発生させる受容体を突き止めたのは1997年だった。研究で着目したのはトウガラシの辛み成分であるカプサイシンだ。トウガラシのたくさん入った料理べると,口の中がヒリヒリと熱くなって痛みを生じる。カプ

    2021年ノーベル生理学・医学賞:温度受容体と触覚受容体の発見で米の2氏に
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    zyugem 2021/10/05
  • 2020年ノーベル物理学賞:ブラックホール 理論と観測の3氏に

    2020年のノーベル物理学賞はブラックホールがこの宇宙に実在することを理論と観測で示した理論物理と天文分野の研究者に贈られる。一般相対性理論の研究からブラックホールが現実の宇宙で必然的に生じうることを1960年代に示した英オックスフォード大学のペンローズ(Roger Penrose)名誉教授と,天の川銀河の中心を周回する天体を1990年代初めから長期的に観測して巨大ブラックホールが存在することを明らかにした独マックス・プランク地球外物理学研究所のゲンツェル(Reinhard Genzel)教授とカリフォルニア大学ロサンゼルス校のゲズ(Andrea Ghez)教授の3人。賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)の半分がペンローズ氏に,残り半分がゲンツェル,ゲズ両氏にそれぞれ贈られる。 星がつぶれてだんだん小さくなり,ブラックホールになる過程を図に示す。最初は星の表面から出た光

    2020年ノーベル物理学賞:ブラックホール 理論と観測の3氏に
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    zyugem 2020/10/07
  • 2019年ノーベル化学賞:リチウムイオン電池の開発で吉野彰氏ら3氏に

    2019年のノーベル化学賞は,繰り返し充電できるリチウムイオン電池を開発し,モバイル時代を開いた旭化成の吉野彰名誉フェロー,米テキサス大学のグッドイナフ(John B. Goodenough)教授,米ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のウィッティンガム(Stanley Whittingham)卓越教授に授与される。 リチウムイオン電池の開発史は,1970年代に遡る。石油危機が叫ばれ,産油国が原油の価格を大幅に引き上げていた時代で,米の石油会社エクソンは石油に代わるエネルギーの研究を始めていた。そのころエクソンに入社したウィッティンガム氏は,分子の層間に原子が入り込む「インターカレーション」という現象を実証。二硫化タンタルという物質に様々なイオンを入れて電気特性を調べていたところ,カリウムイオンが入り込むと電位が非常に高くなることに気づいた。 電池は正極と負極の電位差が大きいほど,得られる電

    2019年ノーベル化学賞:リチウムイオン電池の開発で吉野彰氏ら3氏に
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    zyugem 2019/10/10
  • 2019年ノーベル生理学・医学賞:細胞の低酸素応答の仕組みの解明で米英の3氏に

    酸素はほとんどすべての動物の生命維持に不可欠だ。2019年のノーベル生理学・医学賞は,細胞が周囲の酸素レベルを感知し,それに応答する仕組みを解明した米ジョンズ・ホプキンズ大学のセメンザ(Gregg L. Semenza)教授,英オックスフォード大学のラトクリフ(Sir Peter J. Ratcliffe)教授,米ハーバード大学のケーリン(William G. Kaelin)教授に贈られる。 身体が低酸素状態になると腎臓がエリスロポエチンというホルモンを分泌して赤血球を増やし,酸素の運搬能力を上げようとする。セメンザ教授はこの反応を制御する分子を探索し,肝細胞を用いた実験で,低酸素状態のときにエリスロポエチン遺伝子を活性化するタンパク質を発見。HIF-1(低酸素誘導因子,hypoxia-inducible factor 1)と名付けた。1995年にHIF-1の遺伝子を同定し,HIF-1αと

    2019年ノーベル生理学・医学賞:細胞の低酸素応答の仕組みの解明で米英の3氏に
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    zyugem 2019/10/08
  • 2015年ノーベル化学賞:DNA修復機構の解明を先導した3氏に

    2015年ノーベル化学賞は「DNA修復の機械論的研究」によって,スウェーデン人研究者で英フランシス・クリック研究所の名誉グループリーダーを務めているT. リンダール(Tomas Lindahl,77歳)氏,米デューク大学教授のP. モドリッチ(Paul Modrich,69歳)氏,米ノースカロライナ大学教授のA. サンジャル(Aziz Sancar,69歳)氏に贈られる。 生物はみな“生命の設計図”といわれるゲノムをDNAなどの形で保有しており,多細胞生物はそれぞれの細胞のなかに基的に同じ配列のDNAがしまい込まれている。もちろんヒトも同様で,これらのDNAがきちんと保たれることで生きている。 DNAは外的な影響(紫外線や化学物質,放射線など)で損傷を受けるほか,細胞が分裂・増殖する際に複製ミスが生じる場合がある。これらの損傷やエラーは時として致命的な悪影響につながる恐れがあるが,生物は

    2015年ノーベル化学賞:DNA修復機構の解明を先導した3氏に
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    zyugem 2015/10/07
  • 「STAP幹細胞」として用いられたES細胞を特定 東大,東北大など

    身体のあらゆる組織になることができ, 無限に増殖することが可能とされた「STAP幹細胞」として 実際に使われたES細胞を特定した 理化学研究所などのチームが作成したSTAP細胞から作られた,あらゆる組織に分化することができ無限に増殖する多能性幹細胞「STAP幹細胞」が,以前から研究でよく使われている「ES細胞(胚性幹細胞)」であることを,東京大学グループと,東北大学などの共同研究チームがそれぞれ突き止めた。論文にはこの細胞からマウスができたとされ,STAP細胞が多能性を持つ証拠とみられていたが,今回の解析でどのES細胞が使われたかが具体的に明らかになった。 調べたSTAP幹細胞は,論文の共著者で,STAP幹細胞からマウスを作った若山照彦理化学研究所発生・再生科学総合研究センターチームリーダー(現山梨大学教授)が保存していたもの。先に若山氏が第三者機関に依頼して解析し,「若山研にはなかったマ

    「STAP幹細胞」として用いられたES細胞を特定 東大,東北大など
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    zyugem 2014/12/26
    この分野の人にとっては当然なのかも知れないけど,何年も前の実験試料が保存されていて後からこうやって追跡できるようにしているのはすごいと思った。
  • STAP細胞 見えてきた実態 

    遺伝子解析が示した,名が体を表さないSTAP実験の杜撰さ 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の小保方晴子研究ユニットリーダーらが作ったとされる「STAP細胞」の中身が明らかになってきた。早くから論文への疑義を指摘していた理研統合生命医科学研究センター(IMS)の遠藤高帆上級研究員は9月22日,STAP細胞などの遺伝子配列データを解析した結果を,日分子生物学会の欧文誌Genes to Cellsに発表した。また10月1日,報道陣の合同取材に応じた。 遠藤氏の解析によれば,遺伝子解析実験に用いられた細胞は,同じ名前で論文に出てきても,その中身は実験によってまちまちだ。ある実験に使われた「STAP細胞」は多能性を持つ培養細胞だが,別の実験に用いられた「STAP細胞」には多能性がほとんどない。またある実験の「FI幹細胞」は2種類の細胞の混合で,別の実験の「FI幹細胞」は1種類だ

    STAP細胞 見えてきた実態 
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    zyugem 2014/10/30
    「「データの中に,論文の文章の記述,図,図の説明,作成した方法のすべてが合っているものは1つもなかった」(遠藤氏)」
  • 【号外】STAP細胞 元細胞の由来,論文と矛盾

    理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーが作ったSTAP細胞の一部が,論文に記したような新生児マウスの細胞から作ったものではないことが,理研の内部資料から明らかになった。小保方氏らが論文とともに公開した遺伝子データを新たな手法で解析したところ,STAP細胞に含まれるほぼすべての細胞が,8番染色体が3ある「トリソミー」であることが判明。マウスの場合,8番トリソミーは胎児のうちに死亡し,生まれることはない。STAP細胞は新生児マウスから取って作ったのではなく,シャーレで培養された細胞だと考えられる。8番トリソミーは研究室で培養されているES細胞(胚性幹細胞)の2〜3割に見られるとの報告があり,この“STAP細胞”はES細胞だった可能性が高い。 資料によると,解析したのは理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員ら。東京大学の研究グループが同じ手法で解析し,同様の結果を確認して

    【号外】STAP細胞 元細胞の由来,論文と矛盾
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    zyugem 2014/06/11
  • イオンで作る量子コンピューター

    超弩級の能力を持つと期待される量子コンピューター。原子や光子,人工の微細構造にデータを保存して処理する設計が考えられている。最も進んでいるのが捕捉イオンを操る研究だ。イオンにデータを蓄え,他のイオンに転送できるようになっている。開発を阻む原理的な障害はない。 私たちが行っている捕捉イオン実験では,電気的に浮揚させた個々のイオンが小さな棒磁石のように振る舞う。各々の棒磁石の方向(上向きと下向き)が量子ビットの1と0に対応する。レーザー冷却(原子に光子を散乱させることで原子の運動エネルギーを奪う方法)によって,捕捉トラップ内のイオンをほぼ静止させる。 これらのイオンは真空容器中にあるので周囲の環境からは分離されているが,イオンどうしの電気的反発による強い相互作用を利用して「量子もつれ」を作り出すことができる。量子もつれは個々の量子ビットの観測結果が相関し合う現象で,粒子の間を結ぶ“見えない配線

    イオンで作る量子コンピューター
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    zyugem 2012/10/09
  • 物理定数は変化する?

    決して変わらないもの,それを物理学者は自然定数と呼ぶ。光速cやニュートンの重力定数G,電子の質量meなどの定数は,宇宙のいたるところで常に同じ値をとるとされている。物理学の理論は定数をもとに構築され,私たちの宇宙の構造は定数を用いて定義されている。物理学は,定数をより精密に測定することで進歩してきた。 しかし驚くべきことに,いかなる定数の予測も証明も,いまだに成功したためしがない。ただひとつ一貫しているのは,その値の多くがたとえわずかでも違うと,生物などの複雑な構造は存在できなくなるということだ。定数を説明しようとする試みは,自然を完璧に統一的に記述する「万物の理論(究極理論)」を構築しようとする取り組みを後押しする力となってきた。物理学者は究極理論を用いれば,それぞれの自然定数が特定の値をとる理由を論理的に示せるだろうと期待してきた。究極理論が一見気まぐれな世界の根底にある秩序を明らかに

    物理定数は変化する?
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    zyugem 2008/12/09
    微細構造定数は宇宙の真理じゃ。
  • NEWS SCAN 2007年10月号:日経サイエンス

    標準的な検査法が欺かれたが,代替法の導入に業界は消極的 米国で今春,数百匹の飼い犬と飼いが病気になった。政府当局者が追跡したのはメラミンの出所。メラミンは窒素を多く含む化合物でプラスチックや肥料に見られ,動物が摂取すると腎臓で結晶化して腎不全を引き起こす。その後,米品医薬品局(FDA)はペットフードを製造した中国の企業が小麦グルテンと米タンパク質の濃縮飼料にメラミンを故意に加え,タンパク質の測定値を水増しした疑いがあると発表した。タンパク質含有量が多い濃縮飼料ほど,高く売れる。 混入が故意か過失かにかかわらず,メラミンは従来の標準的なタンパク質分析を欺いたわけで,この100年来の検査法は見直すべきだろう。代案はいくつかあるのだが,業界の腰は重い。 窒素を手がかりに推計する在来法 品タンパク質の測定にはデンマークのビール醸造者ケルダール(Johann Kjeldahl)が19世

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    zyugem 2008/09/17
    タンパク質由来の窒素とメラミン由来の窒素を区別することが出来ない測定法でタンパク質含有量測定を行っている。
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