世界は「アメリカ後」のさらに次の段階に入ったのだろうか。中国の経済減速と先行き不透明感、長引くユーロ圏の低迷、新興市場の不確実性が重くのしかかり、グローバル経済は迷走......今やアメリカ経済だけが「希望の星」だ。 ジャーナリストで元本誌国際版編集長のファリード・ザカリアが『アメリカ後の世界』を出版したのは08年。当時、新興国は経済成長の波に乗って自信満々だった。その自信は時として傲慢を生んだ。例えばブラジルのアモリン外相はオフィスに世界地図をわざと逆さに貼った。世界は変化している、古い地図はもう重要じゃない、というパフォーマンスだった。 しかし地図はともかく、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は重要だ。技術革新も、生産性の伸びも、経済的・政治的自由も重要だ。経済のファンダメンタルズについては今も昔ながらの法則が当てはまる──返済の当てもなく借金がかさめば危機の引き金になる。ギリシャ
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