農業協同組合(農協)など農業組織を事実上の解体に導く農協「改革」法案の審議が参院で始まっています。衆院も含む国会審議を通じ、「農家所得の向上」という政府の口実は崩壊。「農業の成長産業化」と称して日米財界の要求に応え、農協系金融を市場開放するとともに、企業の農業参入を拡大し農地所有に道を開くものであることを浮き彫りにしました。 ■所得増えない 日本共産党の紙智子議員は14日の参院農林水産委員会で、今回の農協「改革」で、なぜ農家の所得が増えるのか政府に迫りました。 農水省は「6次産業化」や輸出の拡大を推進することで所得を増やすとしています。しかし、輸出の多くを占めるのは水産物であり加工品です。紙氏は輸出をいくら増やしても農家の取り分は少なく、所得増には結びつかないと主張しました。 これに対し、林芳正農水相は「農業全体の所得を増やす」と答えるだけで、農家の所得が増える具体的な道筋はなんら示すこと