例のイベントに行ってから、「ネタにすること」の善し悪しについて考えています。唐沢俊一に代表されるおたく第一世代は、変なものをネタにして、笑い飛ばしてきました。その笑いのパワーが、そしてエンターテイメントとしての楽しさが、おたく文化の形成に貢献したのは間違いないでしょう。実際私も唐沢俊一の仕事は大好きで、それを手がかりにおたく文化研究の道に入ったのです。ですがずっと引っかかっていたのですね。ネタにすることには何かよろしくない点があるのではないかと。そこでちょっと考えてみましたよ。 *ネタにすることの利点 (1)楽しみとして面白い これについてはあまり説明の必要はないでしょう。 (2)抑圧からの解放 ネタにされる対象は多かれ少なかれ抑圧を受けているものです。社会的に無視されるか、「なかったこと」にされてきたものです。それを「笑う」ことによって、可視化された存在に、有徴化された存在にすることがで