卒園生からマスクの寄贈を受ける石田本部長(中央) 東京都立川市の社会福祉法人至誠学舎立川が運営する児童養護施設「至誠学園」では4月上旬、職員を対象に意向確認をした。仮に施設で新型コロナウイルスが発生した場合、子どもをケアする「特別チーム」に参加できるかを問う内容だった。結果的に18人の職員が手を上げたという。 ちょうど政府が緊急事態宣言を出す直前のタイミングだった。石田芳朗・児童事業本部長は「コロナへの対応は命がけであり、無理やり職員にケアを命じることはできない。法人の管理者として、職員の意識と意欲に甘えるしかないという自覚はある」と胸の内を明かす。 そもそも児童養護施設は未知のウイルスに感染した子どものケアを想定した施設ではない。「病院でも院内感染が出ているのに、福祉施設で本当にケアできるのか。感染を防ぐための立ち居振る舞いは十分にできない」(石田本部長)。 マスクや防護服、消毒液などの