塩野義製薬と日本イーライリリーが共同販売する抗うつ薬「サインバルタ」(一般名=デュロキセチン塩酸塩)について、両社がプロモーション活動などに利用している論文の利益相反(COI)開示の問題で、論文の筆... この記事は会員限定です。会員登録すると最後までお読みいただけます。 ログインIDとパスワードを お持ちの方はこちらからログイン 会員登録がまだの方は こちらから会員登録
「うつの痛み」をキャッチフレーズに、製薬会社が昨年10月からテレビCMなどで続けるうつ病啓発キャンペーンに対し、医師や患者、家族から抗議の声があがっている。 CMは、体の痛みをうつ病の主症状のように伝えたが、国際的な診断基準に体の痛みはない。ナレーションが一部変更されたものの、「体の痛みで落ち込んだだけでうつ病にされる。薬を売るための過剰啓発だ」との厳しい批判は続いている。 キャンペーンは、糖尿病性神経障害の痛みと、うつ病の両方に処方できる抗うつ薬「サインバルタ」を販売する塩野義製薬と日本イーライリリーが共同で展開。頭痛や肩の痛みもうつ病の症状のひとつとして、うつ病の治療で体の痛みも治療ができると呼びかけている。 フジ虎ノ門健康増進センターの斉尾武郎センター長(精神科医)は「体の痛みを抱えるうつ病患者は多いが、うつ病が体の痛みを生むという科学的証拠はない。不適切だ」と指摘する。 抗議を受け
厚生労働省の患者調査によると、1996年には約43万人だったうつ病などの気分障害の患者が2008年には約104万人と2倍以上に増え、メディアでも「うつ病」の文字を目にする機会が多くなった。また、国立精神・神経医療研究センターの調査では、精神科で処方される向精神薬の服用により薬物依存症になった患者の割合が2000年から2012年の間で約2倍になったとも報道されている。 かねてより、マスメディアでは精神科医による薬の多剤併用が指摘され、多くの患者が薬から離れられず悩んできた。どうしてこれほどまでにうつ病患者が増えたのか。また薬の多剤併用が繰り返される裏には何があるのか。今回『生活習慣病としてのうつ病』を上梓された、著者で、獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授の井原裕氏に話を聞いた。 ――本書の冒頭で「精神科医は患者を薬漬けにしている」と認めざるをえないと書かれていて、現役の大学病院の先生が書
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