2011年2月11日夕、ムバラク大統領の辞任が発表され、カイロのタハリール広場で喝采を上げる若者たち=川上泰徳撮影 民主化への期待から混乱へ 「アラブの春」から5年が経過した。2011年2月11日はエジプトでムバラク大統領の辞任が発表された日であり、1月25日にデモが始まって18日目だった。当時、私は毎日のように広場に通って取材をしていた。辞任が発表された時、私はちょうどタハリール広場を離れたところだったが、すぐに広場に戻って、群衆から喝采が上がっているのを見た。大学で中国語を勉強しているという学生が「私は大学を卒業したら中国や日本、欧米に行くことばかり考えてきた。いま初めてエジプトに残って、この国のために働こうと考えている」と語ったのを覚えている。 「アラブの春」を思い出すたびに、あの大学生の言葉を思い出す。あれから5年たって、中東はとどまることを知らない混乱の中にある。エジプトでもムバ
![強権の崩壊は大卒失業者の反乱で始まった【アラブの春5周年(上)】](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/80ba9b41bf0c3d710767c653b3b715e146e0ce18/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fkawakami%2Fassets_c%2F2016%2F02%2Fkawakami160215-thumb-780x626-87077.jpg)