21世紀早々、落語界を大激震が襲う。 当代随一の人気を誇る、古今亭志ん朝の早すぎる死だ(2001年10月)。 志ん朝の死は、落語界の先行きに暗い影を落としたはずだった。しかし、落語界はそこから奇跡的に巻き返す。様々な人々の尽力により「落語ブーム」という言葉がたびたびメディアに躍るようになった。本連載は、平成が終わりを告げようとする今、激動の21世紀の落語界を振り返る試みである。 1995年6月に二ツ目に昇進した五街道喜助(後の桃月庵白酒)と1996年5月に二ツ目に昇進した柳家三三。この2人が「近日真打」という月例の二人会を始めたのは2003年12月のことだった。当初は落語協会の2階での勉強会の形を取っていたが、後に新宿末廣亭の深夜枠に移っている。白酒の著書『白酒ひとり壺中の天』(白夜書房)によれば、これは「三三と二人会をやりませんか」と落語協会が持ちかけてきた企画だという。 会のタイトルが