blink-182(ブリンク182)がリリースする9枚目のフルアルバム『NINE』。枚数そのまんまなタイトルが表す通り、「ブリンクのありのまま」がより一層素直に詰め込まれた作品だ。 ヒップホップをルーツに持つトラヴィス・バーカーが今こそ若手のラッパーたちにラブコールを送られ、コラボレーションを行っていることも証明している通り、初期からいわゆるポップパンクの型に収まらなかったリズムとビート。その幅がさらに広がりつつ、しかしメロディの飛翔感や歌の掛け合いのバランスはBLINK節そのもので、古くからのファンも拳を握れるものになっている。時代性をしっかりと横目に見ながらも、「若者が好きなだけバカをできる遊び場」を担うように登場してポップパンクの分岐点となった自分たちの役目も今なお自覚しているーーそんな絶妙なバランス感で持って生み出されたことが伝わってくる作品だ。 2015年にトム・デロングが脱退し