映画『AKIRA』の劇伴音楽で世界に衝撃を与えた芸能山城組を率いる音楽家として、あるいは情報環境学、感性科学、生命科学などの分野を越えて活躍する科学者として、国内外のメディア表現に大きな影響を与え、第23回文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞した山城祥二(本名:大橋力)さん。その多岐にわたる活動の全体像が、メディアで語られる機会はほとんどありませんでした。東京五輪の「中止」などまさかの「予言成就」が話題を呼んだ「AKIRAイヤー」の終わりに、山城さんと芸能山城組の足跡の意義について、じっくりと伺いました。 合唱団から生まれ、合唱団の枠組を超えていった「芸能山城組」 ──まずは改めまして、2020年3月に発表された第23回文化庁メディア芸術祭での功労賞受賞、おめでとうございます。同賞の顕彰対象である2019年は、奇しくも山城さんと芸能山城組が劇伴を担当された大友克洋監督の映画『AKIRA』の劇