新たに始まった「大島育宙のドラマ脳内再放送」。これは歴代の傑作ドラマを当時の視聴者と一緒に脳内で再放送(=プレイバック)する“ドラマ論考”連載である。第2回となる今回取り扱うのは『MIU404』(TBS)。社会構造への批判を軸とした本作品は、現在上映中の映画『ラストマイル』につながる滑走路として機能していると大島は言う。傑作ドラマと映画を行き来しながら、野木亜紀子という脚本家の人間の愛し方について考える。 ※『MIU404』『ラストマイル』の展開に触れる箇所があるのでご注意ください。 “王道”ドラマに存在する闇、その周到な配置 『MIU404』は警察組織内のはぐれ者たちが新設された部隊で初動捜査にあたるという設定の刑事ドラマだ。こう聞くとわかりやすい王道ドラマのようだが、けっして王道ではない。 むしろ、王道を歩けなかった者たちの癒やしと再生のドラマだから愛されている。 そして、その熱量が大